第42話 遺体捜索
この間に、現在家畜の世話をしている使用人の山脇 茂43歳に仔細を求めると
「雇われて4年過ぎなので、前の建物の詳細は分からないが、雨が降れば、近くの灰捨場の表面に骨粉らしき物がかなり露出します」
と伝えた。
これを聞いた課長は大声で
「なに!骨粉だと!灰捨て場に皆移れ!」
と指示した。
灰捨て場は、葉煙草乾燥場の近くにあり、大量の灰が小山のように盛り上がっており、署員の一人が、バケツの水を振り掛けると無数の白い骨紛が現れ、鑑識官の命令で灰をふるいに掛け骨紛の採取作業が行なわれた。
ふるいから大きな歯が出た時
「おそらくこれは犬の歯で、骨は持ち帰って詳しく分析をせねば分からないが、他の骨もおそらく犬の骨だろう」
と疑問の残る調査になったようです。
課長は、この間に車載無線機を使い小野警察署経由で姫路署に連絡をした。
牛舎の構造を5等分して右端1番は、飼料倉庫・2番~5番迄が牛舎なので「2番目の牛舎と左端の5番目の牛舎」を調べたが物は無しと報告した。
この非科学的捜査に疑問を持つので今一度鬼頭氏の確実な情報を求め、連絡を待つ事にした。
約1時間後に小野署から無線連絡が入ってきた。
「課長!小野署から無線が入っています!直にジープの所に来て下さい」
「分かつた!直ぐに行く」
この無線電話のやりとりを聞いた署員の殆どが、車の近くに集まって来た。
水野課長は額の汗をハンカチで拭いながら、マイクを取り小野署を呼び出した。
「小野署!こちら姫路捜査一です聞えますか?どうぞ!」
「姫路捜査一、こちら、小野署、感度良好、良く聞えます。先刻依頼された件、姫路署から連絡が入りましたのでお伝えします。ブツは、今の飼料倉庫の床下です。了解でしょうか?」
「飼料倉庫床下、了解しました。!有難う御座いました。今から作業に掛かります。この件姫路署長に電話連絡して下さい、どうぞ」
「小野署了解、姫路署に連絡します。頑張って下さい!終り」
「皆聞いたな!ブツは飼料倉庫床にあるらしい。直ちに捜索に掛かれ!他の要員は牛舎の埋め戻しに当たれ」
この命令で牛舎内は又倉庫の床板を剥がす音、スコップ等の賑やかな響きが聞え、いよいよ遺体発掘作業が始まった。
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