第14話 警官による聞き取り調査(二)
このような会話の後、隊長は
「まあ、先程はあのような険悪な雰囲気になったが直ぐに分かる事だ!あまり気にせぬように」
と労いの言葉を掛けて頂いた。
この非科学的で根拠の無い私の「与太話」に不平を言わず、対処して頂く上官の気持を察知し、改めて有り難く思ったものです。
※
後刻、現地から
「人骨らしき物発見!」
と通報が入り、病室に居た者が同時に驚きの声を発した。
すると年配の警官が、
「本官は直ぐ現場に行く。君は病院の電話を借りて本署に連絡、署長からの指示を聞く事。そして後刻現地に連絡してくれ」
と若い警官に命じ、隊長以下基幹要員共々、病室を出て行った。
先程迄、やいやい云っていた若い警官も急に態度を変えて
「こんな非科学的捜査に足を取られるのもかなわない!詳しい事は後程聞くから」
と負け惜しみに似た言葉を掛けて足早に病室を出て行った。
入れ替わりに一人の隊員が入って来た。
「自分は姫路部隊、衛生隊所属の『山本三曹』です。昨夜君が、井戸に落ち込んだと聞かされ驚き心配し急遽付き添看護を命じられ伺ったが、元気な姿を診て安心したよ?体調はどうだ?発熱、下痢その他変わった症状は無いかね?」
「目頭の痛みと、お腹の具合…それに体中が痒い症状があります」
「汚水、冷水に長時間浸かっていたのが原因と思うよ。暫くこの病院で治療すれば治るから安心するように。後刻、現地から呼び出しがあると思うので、そのつもりで居た方が良いでしょう」
「わかりました」
「なんでも昨夜は皆が心配して各方面を捜したとか?何より君の無事な姿を見て、教育隊長以下基幹要員方々の胸中を察し致します」
「有難う御座います。何かとお世話を掛けしますが宜しくお願いします」
私の返事を聞いた衛生隊員は敬礼して部屋を退室した。
このような慌ただしいやりとりが全て終わり病室内に再び静寂が訪れた。
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