第5話 女子力向上部

「えーっと、それでは今から部活を始めまーす!」


「照ちゃんがいきなり部長っぽくなった」


「さっきまで寝てたくせに……」


「はいそこ静かにー」


ここは木工室の隣の旧家庭科室。

結構歴史のある学校なので、設備が古くなって

しまって、家庭科室として使われなくなったとか、なんとか。

なので今は去年から活動を始めた私たち3人の部室となっている。

中庭にも面していて、居心地がいいので、私はここが好き。



ちなみに。私たちの部活動名は、女子力向上部という!!!

本当は、もっと色々他の部活名も考えてたんだけど、あまりに私のネーミングセンスが

ひどかったので、二人が勝手に決めた。

活動は、主に好きなことをするだけ。

…………以上。


私が超努力して立ち上げた部活なんだけど、

この話はまた今度。



「ねー、今日は何するの?」


「あ、今日はね……」


私はごそごそと鞄からある資料(?)を取り出す。


「あ、これ知ってる。今流行ってるやつ」


「テレビで見たことあった気がする」


二人が資料を覗き込んで言う。


「そうそう!今度作りたいなーって思って」


私が持ってきた資料には、マカロンのようなお菓子の写真が載っている。


「確か……トゥンカロン、だったよね?」


「あー、それそれ!マカロンの凄いバージョンみたいなやつ」


そう。私が今度皆で作りたいと思っていたのは、

トゥンカロンという、今流行りのお菓子。

見た目が可愛くて、インスタ映えもする

お菓子なのである。


「食べてみたいと思ってたんだ~」


「うん、いいと思うよ」


「やったー!」


私たちは家庭科部ではないけど、時々お菓子を作る計画を立てたりしている。

もちろん作るのは家で。学校でお菓子は作れないからね。

その他にも、色々な部活のお手伝いをしたり、etc、etc……

もはや何部でもないこの部活動。

まあ、すごく楽しいから全然いいんだけど。


「ねぇ、二人はいつなら予定空いてる?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る