第2話 登校

ピーンポーンピーンポーン。

インターホンが鳴る。アイツが来た。


「照!光君来たわよ~」


お母さんに呼ばれ、

私は歯ブラシを口につっこんだまま玄関へ向かう。



「光、もうちょっと待って。もう終わるから」

私は玄関先で不機嫌そうに待っている男子に

そう言う。歯ブラシつっこんだまま。



彼は中澤光なかざわひかる

私の幼馴染みであり、こうして毎朝私を迎えに来てくれる。


ダークブラウンの髪色をしていて、顔立ちの整ったイケメンでもある光。

なので結構モテる。

まぁ、光は全然興味なさそうだけど……



「さっさとしろ照葉。あと歯ブラシつっこん

だまま喋るな」


「はーい」



洗面台に戻ってからうがいをして、急いで準備。


「照葉、水筒!」


「あ、ありがとお母さん。いってきまーす!」


「いってらっしゃい」



勢いよく玄関を飛び出た後、全力ダッシュ。

周りに中学生はもういないっ…


急がねば!


「お前…そんなに急ぐくらいならもう少し早

く起きたらいいんじゃないか?」


「起きたいけど起きられないのよ。私が朝に弱いの、光も知ってるでしょ」


「ふん。少しは俺を見習え。毎日6時30分には起きてるぞ」


……私、そんな時間に起きたことなんてあったかしら。


なんかムカついたので、あっかんべーをしてやる。


まぁ、毎朝遅刻ギリギリの私に付き合ってくれている光には感謝してるんだけど。


そんな感じで、走って学校へ向かう。


15分ほどして、学校へ到着。

ゼェゼェ。ハァハァ。


私に体力があるのは、毎朝のこの通学路ダッシュのおかげだと思う……


靴箱前の時計は、8時25分を指していて…

てかあと5分しかないし!


靴を履き替え、またまたダッシュで階段を上る。


結局私たちが教室に着いたのは、チャイムの鳴る2分前だった。


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