𖧷園田 照葉 の 日常𖧷

@miniomrice

第1話 照葉の朝

ピ、ピ、ピピ、ピピ、ピピピピ、ピピピピ………


目覚まし時計の音が部屋中に鳴り響いている。



眠たい。仕方なく目を擦りながら起き上がり、頭上の時計を見る。7時…30…分…?


「はっ!起きないと」


7時にセットしたはずなのに。

起きるのはなぜかこの時間…


けたたましい音の中でも爆睡できる私は、ある意味すごいと思う。



私の名前は園田照葉そのだてるは。中学2年生。

朝がめっちゃ苦手。


白い夏のセーラー服にパパっと着替えてしまい、慌ただしく階段を駆け下りる。


「お母さんおはよ!」

キッチンで目玉焼きらしきものを焼いている

お母さんに挨拶。


うちのお母さんはパートのお仕事をしている。

優しくて大好きなお母さんだ。


「おはよう照。もうすぐご飯出来るから。先にその大爆発してる髪を整えてきなさい」


「はーい」


洗面台の鏡と向き合い、お母さんに言われた通り大爆発している髪の毛を整えようとする。


目の前の鏡に映る私は、濃いネイビーブルーの髪色をした、大きな茶色い目の美少女。


自分でいうのもなんだけど…黙ってれば

モテるであろう。


「昨日ドライヤーかけずに寝たからかな…全然直らない…」


スプレーをかけてやっとハネが落ち着いた髪の毛を、二つ結びにする。


「照~ご飯出来たわよ。また光君待たせないように急ぎなさい」


ダイニングテーブルに並んだ今日の朝ごはんは、目玉焼き、トースト、ポタージュだ。

……あれ。野菜がない。


私は勝手に冷蔵庫の野菜室を開け、

レタスの葉を1枚ちぎって、その場でムシャムシャ食べる。


……我ながら豪快だと思う。


ちなみにお母さんがこの様子をじっと見ていた…


ダイニングテーブルへ戻り、席に着く。


「いただきまーす」


モグモグ。サクサクモグモグ……私はお腹が

空いていたので、五分もしない内に完食。


「お母さん、まだ足りないんだけど」


私はお母さんに訴える。

私はまだ足りていないのだ、と。


「もー…太ってもお母さん知らないからね。

昨日の晩御飯の残りならあるから、チンして

食べなさい」


「やったー!」


昨日の晩御飯は確かクリームパスタだ。

私の大好物の1つでもある。


冷蔵庫からパスタを取り出し、レンジでチンしてから美味しく頂く。


チュルチュル、チュルチュルチュル…


「ごちそうさま!」


食器の片付けはお母さんに任せるとして、私は洗面所へ行き、歯を磨く。


私の朝はいつも慌ただしい。

全ては私の体質が朝が苦手なせいだ…私は悪くない。はず。


チラリと時計を見ると、もうすぐ8時になろうとしていた。



そろそろ光が迎えに来る頃かしら。


光は私の幼馴染みであり、

私にとって大事な存在なのである。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る