30編
(この公園、懐かしいな。
よくばぁちゃんに連れてってもらったっけ。
俺はあまり活発じゃなかったから、
走り回って良く転んでくる美春を
見てばかりだったけどな。)
「わー!久々だね!あ!やっぱり
おばあちゃん居たよ!おばあちゃーん!」
「おい!美春!
俺達の成長した姿なんて分かんないぞ…。」
「あら。お嬢ちゃんにお兄ちゃんじゃない。
また会ったわねぇ。
やっぱり改めて見ると私の孫に
そっくりだねぇ。
10年後くらいにはこんな美男美女に
なってるのかしら。ふふふ。」
「おばあちゃん…。お兄ちゃん!
やっぱり私達がおばあちゃんの孫だって
打ち明けたいよ!」
「ダメだ…。そんな事しても
ばぁちゃんを困らせるだけだ。」
「あらあら。揉め事かい?
兄妹は仲良くだよ。
ウチの孫達もよく喧嘩してくるけど、
いつも親である息子達に怒られるのは
お兄ちゃんの方なんだ。
私にはどっちも大切な孫だから、
出来るだけ差別はしないのさ。
どちらにもちゃんとした愛情を
与えたらきっと将来は立派に成長するよ!」
「きっとそのお孫さん達もちゃんと
ばぁちゃんの愛情は伝わってますよ。
これだけは言えます。
とても感謝していますよ。」
「そのお孫さん達もおばあちゃんの事、
大好きですよ。私にもこんな愛情
深いおばあちゃんが居たらって…。」
美春はとうとう泣き出してしまった。
「おばあちゃん!この後、十分に
気をつけて帰って!良くないことが…。」
「美春!これ以上言うな。
歴史を変えかねない。」
「そうだぞ。そのババアは俺様が後で
美味しくいただくんだから
邪魔するんじゃねぇ!」
(今なんて言った?
ばぁちゃんを食べるだと?)
「誰だ!お前は!」
「俺の名は人食い鬼のプレデターだ。
丁度腹が空いてたんでなぁ。
もう何人も食ってきたんだ。
そのババアも食わせろや。」
「人食い鬼だと?
ふざけるな。ばぁちゃんには
手出しはさせない!」
「そうよ!おばあちゃんは下がってて!」
「俺様に反抗するとはなぁ。
俺様の攻撃をくらえ!」
「ゴォォォォォ!」
凄い勢いでプレデターが振りかぶって
俺達を殴ろうとしてる。
「そうはさせるか!俺が盾で守ってる間、
美春の魔法攻撃で攻撃してくれ!」
「ふんっ!この程度の守りなら
俺のパンチの方が強いぜ。」
実際にプレデターの言う通り、
俺の守りよりプレデターの攻撃力の方が
圧倒的な差がある。
(くそっ!こいつの攻撃力が高すぎて
守りきれない…。)
「今度は俺様のターンだ。連続パンチ!」
「ゴゴゴゴゴゴ!バキャァァァァ!」
何と盾が壊れてしまった。
「お兄ちゃん!どうしよう…。」
「俺達はこれまでなのか…?」
「まだ諦めるのは早いよ!
私達が援護する!」
「胡桃!麗華!
どうしてここが分かったんだ。」
「そんな事より今はあのモンスターに
全集中よ。皆、行くよ!」
こうして胡桃と麗華が何とか間に合い、
起死回生の戦いが始まるのであった。
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