29編
「おばあちゃん!お兄ちゃんが怒った泣」
「あらあら。美春ちゃん。大丈夫かい?
雷太も
こっちにいらっしゃい。」
「だって美春が悪いんだぜ。
俺が怒られるのが
納得いかないんだけど。」
「怒ったりしないよ。
2人とも可愛い孫だからね。」
「ばぁちゃん…。」
「おばあちゃん大好き!」
「ありがとね。あら、胡桃ちゃんと
麗華ちゃんじゃない。
遊びに来てくれたわよ。
遊んでらっしゃい。」
「おばあちゃん行ってきまーす!」
「ばぁちゃん、またなー!」
これが私達兄妹が見たおばあちゃんの
最後の姿だった。
次に見たおばあちゃんは棺の中だった。
「うぅぅぅぅ…。
何で急に居なくなったの?」
「ばぁちゃん、嘘だと言ってくれよ…。」
「可哀想になぁ。
お袋がまさか事故でこんな
急に亡くなるとは…。
俺達ももちろん悲しいが
あいつらは可愛がってもらってた分、
余計に悲しいだろうな。」
「そうね。
トラウマにならなきゃ良いけど…。」
「俺、ばぁちゃんに伝えたい事
沢山合ったのに結局言えなかった…。
もう二度と言えないんだな。」
「お兄ちゃん…。
私だってもっと一緒に居たかったよ!
今、頭の中が後悔だらけだよ…。」
こうしておばあちゃんの突然の死は
10年前の幼い私達に
強烈なトラウマを残したのだった。
「……。美春!美春ってば!どうしたの?」
「はっ!胡桃ちゃん…。何でもないよ。」
「美春らしくないわね。しっかりなさい。」
「ごめんね〜。」
その場は笑って誤魔化した。
「これからの事なんだが、
次の魔王幹部討伐は
過去の世界にしてくれないか?
ちょっと訳あって行きたいんだ。」
「良いけど訳って?」
「時期に話すさ。」
お兄ちゃんが過去に行く
提案をしてくれた。
「お兄ちゃん、やっぱり…?」
「もちろんばぁちゃんの事だ。
過去に行って俺達の後悔を晴らすんだ。」
「お兄ちゃん…。ありがとう!」
「お礼はばぁちゃんに
会ってからにしてくれ。」
「はーい。
でもどうやって過去の世界に行くの?」
「麗華が一人で未来に来た
方法を取ればいいだろ。」
「分かった。お兄ちゃん、行こうか!」
こうして私達はおばあちゃんとの後悔を
晴らすために過去の世界へと
向かったのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。