28編

「アンタの思い通りになんてさせないわ!」

「なっ!私のルシッドドリームから

抜け出すなんて信じられないですぞ!」

「皆、起きるのよ!癒しの舞!」


「私のナイトメアも解除されただと!」

「この癒しの舞はモンスターを

眠らせるだけでなく、

心地良い夢を見させることも出来るのよ!

時期に皆、目がめるわ!」

「くっ!もう一度ルシッドドリームを…。」

「好きにさせない!こないだ覚えたばかりの

スキルを使う時が来たわね…。百花繚乱ひゃっかりょうらん!」

「うわぁぁぁ!何だ!この花の舞は!

段々意識が遠のいていく…。」


(ここはどこだ?…。あ!母さんだ。

これは私が人間だった頃の記憶か?

「和也、無茶しないのよ。

母さん心配だわ。」

優しくていつも私を

気にかけてくれた母さん…


っ!モンスターに襲われている!止めろ!

母さんを攻撃するな!母さんっ!

「和也、私の事は気にしないで。誰かを

憎んではいけないのよ。貴方は貴方なりの

人生を歩んでちょうだいね…。」

あぁ…。そうだ。私は母さんを殺した

モンスターが憎くてその憎悪から自らも

モンスターに成り果ててしまったのだった。

今、母さんの言葉を思い出して気付いたよ。

私のしてた事は実に愚かだったのだね…。)


「うぅぅん…。あれ、

私悪夢を見ていたんじゃ無かったっけ?」

「あれ?俺は何してたんだ?」

「麗華ちゃん、おはよう〜。」


「皆、何寝ぼけた事言ってんのよ!

オールマイティドリマーが寝てる間に

一斉攻撃よ!」

「ファイアソード!アクアソード!

ウインドソード!アースソード

4連撃からの突き!」

「地割れ!」

「アンデットカースからのリバイブ!」

「もう一度百花繚乱ひゃっかりょうらん!」

「あれ?百花繚乱ひゃっかりょうらんって

眠らせるだけじゃ無いんだ。」

「眠らせてる相手に使うと

効果2倍なのよね。」

「麗華の必殺技になりそうだね。」


「母さん、私は安らかに眠るとするよ。

最後に大切なことを気付かせてくれて

ありがとう…。」

「消えていったわね…。

お礼を言われたけど

何だったのかしら。」

「まぁいいじゃないか。

あれが多分未来の魔王幹部だろう?

無事に討伐できたんだから

良かっただろ。」


「それより麗華、何で居なくなったの⁉︎」

「そうだよ麗華ちゃん!

心配したんだから!」

「もう良いじゃない。そのことは。

でも、今回ばかりは貴方達のお陰ね。

感謝するわ。」

麗華が鼻歌交じりに先へと歩いていく。

どうやら麗華の悩みは解決したようだ。


「麗華、待ってよ!」

「先行くわよー!」

「ねえ…。お兄ちゃん。

今度は私達の番かな。」

「そうだな。

俺達の後悔を解決する良い機会だな。」

私と麗華の2人で先に行ってる間、

こんな会話がされていたのを

私は気付かなかった。

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