24編

1人になった私は以前と同様に

逃げ出したモンスターが開いた

異次元の扉を開けて

未来へと来ていた。


(ここに来ても何か

解決する訳じゃ無いのに…。)

トボトボと歩いていると気付いたら

私の家に着いていた。


(やだ!私ったらつい自分の家に

足を運んでたわ…。

お父様とお母様の姿を見るのも

怖いし、帰ろう…。)

そう考えた矢先だった。

見慣れた2人が庭の

カフェテーブルで歓談していた。


「麗華が巣立って大分

寂しくなってしまったな。

私達も歳を取るわけだ。」

「あら。私はまだまだ若いつもりよ!

貴方だって年老いてなんていないわ。

気持ちが若ければ美貌も

衰えないものよ!」

「ははっ!そうだな!」


(あれはお父様とお母様!

もっと老けてらっしゃると

思っていたけど、年相応の

美しさとカッコ良さを

兼ね備えているわ!

良かった…。

お父様とお母様の事に関しては

心配無さそうね。

だけど、一番の問題は私が

将来どんな姿になってるかを

見るのが怖い…。)


「あれ?麗華ちゃんじゃないか。

こんな立派なお屋敷の前で

何をしてるんだい?」

(この声は…!)


「時生さん、お久しぶりです。

こちらに来てたんですね。

この家は私の家です。

ちょっと悩み事があって…。」

「この立派なお屋敷は麗華ちゃんの

家だったんだね。

それより悩み事って?

差し支えなければ聞いてもいいかい?」


私は時生さんに自分の

将来の事について話した。

「ふむ…。自分の将来を見るのが怖いか。

確かに俺もそんな時期があったな。

モンスターを街から完全に

排除してそこから先、どうしようか

悩んだものさ。

だけど、君には仲間が居る。

この人物に会ってみるといい。」


時生さんから一枚のメモを渡された。

「この名前と住所って!」

「麗華ちゃんの悩みが

解決する事を祈るよ!」

またしても颯爽さっそうと去って

行ってしまった。

(この人に会って

どうしろって言うの…?)

一枚のメモを握り締めて

呆然ぼうぜんとしていた。

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