11編
異次元の扉を潜った先には
見慣れた街とは少し違った
近代化した世界が待っていた。
「わー!未来の私の街だ!
あんな所に大きいビルが立ってるよ!
すごいすごい!」
美春は大はしゃぎしている。
「確かにこの変わりようは凄いな。
俺達の街もこんなに発展するんだな。」
雷太も私達の街の変わりように驚いている。
確かに辺りを見渡すと、
大きいショッピングモールや
高層ビルが立ち並んでおり、
私達が住んでいる現在の世界よりも
発展していた。
しかし、麗華だけは何だか
元気が無さそうだった。
「麗華?どうしたの?大丈夫?」
私が心配して声をかけると、
「…。あ!胡桃。何でもないわよ。」
麗華は何か考え事をしている
様子だったが、軽くあしらわれた。
「皆、未来の街を探索してみようよ!」
美春の元気な声が聞こえてきて、
未来の私達の街を探索して
みることになった。
ところが、未来の新しい世界に
心を踊らされてるのも束の間だった。
「ギャァァァ!」
奇怪な声が聞こえた先を見ると、
やはり未来の私達の街にも
モンスターはいるようだ。
「やっぱりか…。予想はしてたけど。
皆、油断しないでね。
さっきみたいにモンスターが
強敵化している可能性があるから。」
「せっかく楽しい気持ちだったのに…。」
美春がしょげていると、
「あれをよく見てみろ。
何かスライムみたいな形していないか?
しかも、俺達が見てきた過去や
現在にいたスライムよりも
かなりデカいぞ。」
雷太が指差す先を見ると、私達が今まで
見てきたスライムとは明らかに大きさが
違う巨大なスライムがウヨウヨしている。
しかし、違う方向を見ると子豚のような
姿をしたモンスターも居るようだ。
「あれって、私達が死にかけた
原因になったオークじゃない?
何か現在に居たオークより
小さいんだけど…。」
今度は私が指を差すと、
「本当だ!可愛い子豚みたい!」
「何か弱そうだな。」
美春と雷太は反応したが、
麗華は
頭の中で声がする。
「胡桃ちゃん!今見ていると思うけど、
スライムが巨大化してたり、オークが
小さくなってるよね?あれはさっき
経験したと思うんだけど、
異次元の世界を渡ると
モンスターが弱体化したり、
強敵化する現象なんだ。
つまり、過去で1番弱かったモンスターは
未来で1番強くなって、未来で1番弱い
モンスターは過去で1番強くなるの!
現在はその中間のレベルかランダムで
異次元の扉を潜ってきたモンスターが
来るからどれくらい強いかは
見極めるのが難しいんだ…。」
精霊に一気に説明されたが、
よく分からない。
(というか、異次元の世界を渡ると
強くなったり弱くなったりすることって
有り得るのかな…。)
「何かよく分からないけど、
油断は禁物ってことね。分かった。」
とりあえず精霊の言葉を飲み込んだ矢先、
現在同様に私達を見つけて
巨大なスライム達が私達を襲ってきた。
「皆、構えて!あの巨大なスライムは
相当強いよ!」
私が警告を促すと同時に戦闘は
始まっていた。
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