12編

圧倒的な力の差だった。

レベル20になったばかりの私達が

大量の巨大スライムに

かなうはずがなかった。


「これじゃ俺が防いで胡桃や

麗華が攻撃してもキリがないな…。

美春もどんどん攻撃魔法と

回復魔法を打ってくれ!」

「お兄ちゃん!今の私達のレベルじゃ

この大量の巨大スライム達を

全滅させることなんて無理だよ…。」

美春も諦めかけている。


(やはり全員瀕死になって

もう一度無双モードを

使うしかないのか…。)

私が提案しようとしたその時、

突然強力な攻撃がいくつも降ってきて、

巨大なスライム達は全滅していった。


(何が起こったの!)

「君達が無双モードを再び

解放する必要は無い。

俺が助けに来たからな。」

謎の男性が私達の前にたたずんでいた。

見たことも無い強力な力だった。

片手を振るだけで、巨大なスライムを

一撃で仕留められるし余裕さえ見える。


(このめちゃくちゃ強い人は何者なの…?)

「ふぅ…。一通り片付いたか。

君達、危ない所だったね。

俺が助けに来てなきゃまた

無双モードを使ってたでしょ。」

謎の男性が話し掛けてくる。


「助けてくれてありがとうございます。

貴方は何者なのですか?」

私が尋ねると、

「おっと。自己紹介がまだだったな。

俺の名は時生。時を生きると書くんだ。

俺は過去、現在、未来を行き来する

タイムトラベラーさ。

君達と同じくこの度のモンスター増殖の

原因を調査しつつ、モンスター討伐も

している。」


(異次元の世界を行き来している?

モンスター増殖の原因を調査しつつ、

討伐もしている?タイムトラベラー?)

私の中ではてなが大量に浮かんだ。

聞きたいことは山ほどあった。


「色々、聞きたいことがあるのだけれど

1つずつ聞いていきます。

まず何故私達の街に

モンスターが突然現れたの?」

私は冷静になって1つずつ時生に

質問をしていった。


「それは俺の推測だが、

君達の精霊達が前に

話していたと思うんだけど、

しかし、何らかの原因で時空がゆがんで、

突如、過去・現在・未来に

モンスターが大量発生したらしい。

俺は時空の歪みがどうして発生したかを

調査している。


それにいつもは精霊達は普段は

異次元空間を自由に行き来できるんだ。

しかし、時空の歪みが原因で

異次元の扉が自由に開かなくなっちまった。

俺も未来のこの世界で調査してた所を

閉じ込めれたってわけさ。

そこで、君達がモンスター達に

襲われてたから助けに来たって所だな。」


(やっぱり時空の歪みとやらが

モンスター発生の

原因となってくるのか…。)


「次の質問なのですが、

どうして無双モードの

ことを知っていたんですか?」

「それは俺自身が使っていた能力だからだ。

俺もかつて君達が産まれる前かな。

この街が時空の歪みによってモンスターに

襲われたことがあったんだ。

その時は俺一人しか戦える奴は居なかった。


その時、そこに飛んでる精霊の一人に

お世話になってさ。瀕死になって

もうダメだと思った時に無双モードが

発動して、モンスター達を無事に

全滅させることが出来たのさ。


あれからモンスター達が発生することは

無くなったが、モンスター発生の原因である

時空の歪みが気になって精霊の力で

自由に異次元空間を行き来して、

調査してきたんだ。」


(私達が産まれる前にもモンスターが

発生していたのか…。今回も何らかの理由で

再び時空の歪みが起こってモンスターが

発生していたのかな。)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る