10編
「つまり全員が死にかけたことで
無双モードになったってこと?」
「そうそう!私も無双モードの
発動条件までは知らなかったんだけど、
胡桃ちゃん達を見てたら全員が
瀕死になったことが無双モードの
発動条件みたい!」
(やっぱりそうか…。無双モードは
あくまで全員がピンチの場面でしか
使えないのか。ということは普段は
通常モードでしか戦わなきゃ
行けないことになるな。
まだまだ自身の能力と
レベル強化が必要か…。)
「何か俺達、それぞれ無双モードって
やつの効果が違ったんだけど、
あれは何だ?」
「私は回復も攻撃も魔力が
強くなってたよね?」
「私なんか今まで使ったことの
無い踊りの力まで付与されたわよ?」
「そうなんだよねー。皆、それぞれ
無双モードでの能力強化には差があるんだ。
それぞれの精霊達から説明してくれるよ。」
「雷太に宿ってる俺の役目は
無双モードでは防御力の強化だ。
無双モードになると、防御力が
圧倒的に強くなって、今まで以上に
盾でのモンスターの攻撃を
防ぐことが出来るんだ。
もちろん隙を見て攻撃することも
出来るがな。」
「美春に宿ってる私の役目は
回復・攻撃魔力の強化と
魔法発動速度の上昇だよ!
今までより回復量が上がったり、
強い魔法が素早く撃てるように
なるから回復・攻撃共に役に立つよ!」
「麗華に宿ってあげてる私の役目は
踊りの力による状態異常の
ヒット率の上昇と新たに踊りの力の
ダメージ付与ね。
状態異常も万能じゃなかったけど、
無双モードになると確実に
状態異常にすることが出来るわ。
状態異常の他にも、踊りの力で
モンスター達を錯乱させて
攻撃することも出来るようになったわ。
あくまで踊りの力での
ダメージ付与は今回、初めて能力が
芽生えたから無双モードじゃなくても
使えるようになったみたいだけど、
攻撃力は無双モードと差があるのは
やむを得ないわね。」
(なるほどね…。無双モードになると、
攻撃や防御のパターンがかなり
増えるわけか…。
麗華が通常モードでも 攻撃出来るように
なったのは有難いな…。)
「質問なんだけど、全員が
瀕死になる以外に無双モードに
なる条件って無いの?
普段は通常モードでしか
戦えないとなると、これまで以上に
基礎的な能力の底上げとレベル上げが
必要になると思うんだけど。」
私が疑問に思ったことを伝えると、
「私達も無双モードの力の効果については、
説明出来るんだけど、
無双モードの発動条件までは
まだまだ分からないなー。
今回、ようやく全員が瀕死に
なったことが発動条件だって
知ったくらいだし。
でもね!無双モードで
モンスターを倒すと、通常モードで
戦うより、経験値が尋常じゃなく
入るんだよ!
今の自分のレベルを見て見て!」
確かに私のレベルはいつの間にか
10ほど上がっており、
レベル20になっていた。
「何かめっちゃレベル上がってるよ!」
「ステータスも大幅に
向上してるみたいだな。」
「これでもうあんな
目に合わずに済むわね…。」
3人も自身の大幅な能力アップを
感じているようだ。
「それでね…。レベル20になった節目と
言っては何なんだけど、
どうやらこの間みたいに
モンスターに逃げられた時に
異次元の扉が開いたように、
今回も異次元の扉が開きそうなんだ。
しかも、今回はランダムに
過去・現在・未来に
飛ばされるんじゃなくて、
自分たちで好きな異次元の世界に
移動出来るんだよ!」
(自分たちで好きな異次元の世界に
移動出来るようになるのか…。
せっかくだからまだ行ったことのない
未来の世界に行ってみる
価値はあるかな…。)
「皆!この機会だから
まだ行ったことのない未来の世界に
行ってみない?
モンスターの状況も知りたいし、
今回みたいに新しいことが
起きるかもしれない。」
私が提案すると、
「賛成ー!」
「悪くは無いな。」
美春と雷太は賛成してくれたが、
「未来か…。行くのは怖いけど、
まあ出会うとも限んないわよね…。」
麗華は何か心配事があるようだったが、
未来に行くこと自体は賛成してくれた。
「じゃあ全員一致で
未来の世界に転送するね!
扉を開けたら、皆飛び込んで!」
精霊に促されて、再び私達は
不思議な光に吸収されながら、
異次元の扉をくぐったのであった。
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