解説

 佳子は多重人格者などではなく、ただの「薬物依存症」です

 狂った薬の使い方をしている自分への劣等感を誤魔化すため、無意識のうちに、薬をキメている自分を「ほかの人格」と思い込み正当化しています。しかして本人はその「ほかの人格」を異様に嫌っています。雪乃に自分の名である佳子と呼ばれた時、「ほかの人格」の名を呼ばれたと感じ、佳子は怒りのあまり、薬によって曖昧になりすぎた判断力で感情的に雪乃を殺します

 薬物依存者の特徴に、自分が映るものへの異常な嫌悪感、爪を頻繁に噛む、記憶の欠落などが挙げられます。それらの要素をいくつか本文に散りばめています

 佳子の年齢は不詳ですが、薬をやっていることを隠すために路地裏で隠れて生活しています。大きなリュックは、必要なものをつめこんだもので、まだ比較的薬への依存度が低く、正常な判断ができる時に用意されたものです

 ちなみに薬のイメージはコカインです。ほら、有名だしさ⋯⋯ 

 

 要約すると、「佳子は薬やりすぎたあまりに自分を多重人格と思い込んだ異常者」ってことです。タイトルはその事実への呼びかけです。もう一人の(存在しない)人格に狂っていると呼びかけるお前こそが「人間失格」だぜってことです

 よしなに。

 ちなみに佳子(ヨシ子)は人間失格に出てくる人物の名前と同じです

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お前は人間失格だ パEン @paenn

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