第10話 途中。


刀身の中で刃文がうねっている。

刃文は時折、葉っぱのスジのように枝分かれし、上から下へ、下から上へとすじの中で赤い液体が流れる様を見せ、また一般的な刀の模様に戻ったかと思うとまた脈打つのである。刀身彫りといわれる刀に刻まれる彫刻部位には人間の死体らしきものが複数彫り込まれている。何時の時代に作られたものだろうか。

 そもそも人の手による作なのだろうか。


 外来船の来航よりも妖魔の刀に魅せられた領主は

 外人に対する態度もおざなりで全てを部下に任せていた。


ーーという、話を聞いた私は仲間たちと食料庫で顔を突き合わせ会議をしている。

 

 謁見できなければ、許可なく街をうろつくわけにも行かず(鎧を着た兵隊たちが槍を立て立ちはだかっている)立往生することになる。


「食料を補給しないと一週間もたないぞ」

 交易品もこのままだとダメになる。

「武器はあるが」

「我々ではセンメツするのは難しい」


 老いた船長、マウント宣教師、その部下3人(内一人は私)、商人や船乗りは腕っぷしは強く数もいるが戦闘で彼らを失うと誰が船を動かせるというのか。


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都市犯罪小説のアイデアを貯める 神納木 ミナミ @yuruyuruyuru

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