第10話

 プレゼントって何だろう。。


 ストーカー男からのプレゼントなんて、変な物だったりしないだろうか。。


 でも今のところそんな怒らせる事はしてないし、普通に貰って嬉しい物かもしれない。

 でもそれはそれで貰っても後から困るけど。。


 その日はその事が頭から離れなかったが、それでも仕事はこなして、仕事が終わると真っ直ぐ家に帰った。


「お姉ちゃん。お帰り。荷物届いてるよ」

 家へ帰ると茜が出迎え、興味津々でいろいろ聞いてくる。

「望月直哉って誰?新しい彼氏?前付き合ってた人とは別れたの?あっ。。。もしかして二股?」

 いちいち説明するの面倒だけど、茜には説明しておいた方が良いかもしれない。

 葵はこの男の落とし物を拾ってから、勝手に好意を持たれて付きまとわれてるとだけ簡単に説明した。


「それって気持ち悪いね。そういう人は自分の髪の毛とか、変な物送りつけて来たりするよね。

 でもこの箱、ちょっと大きいから、そういうのじゃなさそう。。」


「茜。開けて見てくれない?」


「えっ、やだよ」


「お願い!来週お風呂掃除私がずっとやるから」


「しょうがないなぁ。トイレ掃除も追加でね」

 茜はこういう時本当に頼りになる。

 小学生の頃男子にからかわれていた時も、茜が代わりに立ち向かってくれたおかげで、その後何も言われなくなった。

 どっちが姉妹かわからないねとよく親からも言われていた。


 はっきりしてる分、何でも顔に出てしまうから損するところはあるけど、姉御肌な部分は人から頼りにされる事が多かった。


 茜は届いた荷物の紙を破いて、箱の蓋を開けるだけになると、

「いい?開けるよ」

 その言葉に対して、葵はゆっくり頷いた。


 果たして箱の中は。。。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る