第4話

今日の授業も無事終わり、残すはホームルームのみとなった。

はちのはずっとため息と居眠りで1日を過ごしていた。あれだけ盛大な隈を作っていれば眠くもなるだろう。昨日の【何か】を引き摺ってるようだ。その【何か】を結局聞いてないので俺にはわからない。俺自身も気になるのは…

「よーし。ホームルームするぞー。」

先生が昨日教室で何をしていたのか、何故教室にいたのか気にはなるが当の先生は教えてくれないだろう。



「はち、今日部活は?」

「行く〜…」

ホームルームも寝ていた寝坊助(16歳)は眠たそうな顔をしながら部活に行く準備をしていた。

「今日は何描こうかな〜(ニヤニヤ)」

「また妄想絵を描くのか?」

「妄想言うな!」

俺達は美術部に所属(時々しか行かないが)している。

俺自身は入るつもりなかったのだが、はちのに「みーくんも入ります!」と勝手に入部届に名前を書かれていたからではある。貴重な高校生活を描くこともしないのに入部させられたのは結構遺憾である。

だが書かれてしまい、なおかつ提出して受領されたのも結構遺憾である。

…なんで本人が出てないのに受領されたって?

はちのの相手が出来るのが俺しかいないからである。やっぱり遺憾である。



「ななみ!ちょっといいか?」

「なんですか?いちか先生」

「ちょっと話したいことがあるから放課後時間をくれ。」

「?。分かりました。」


珍しい。先生が時間をくれとは。しかもここで話さないで後でってことは誰にも聞かれたくないのかな?


「はち、先に…って何してるの?」

振り向くと目の前にカバンを構えてる奴がいた。

しかもポーズを取りつつ。

「なんか眩しかったので!!!」

「嘘つけ。」

「嘘じゃないもん!」

「はいはい。じゃあ俺は先生とちょっと話してくるから。」

「え?…みーくんは部活一緒に行かないの?」

「気分による。」

「そういった時はみーくん大体来てない!!!」

「じゃあ時間による。」

「んーーーーー……わかった。『また後でね!!』」

と、はちのは走り去って行った。


「(強制かよ…)」

と、苦い顔しつつ俺は先生のいる準備室に向かう事にした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る