第2話

教室に入るとそこにいたのは

「いちか先生何してるんですか?」

いちか先生。僕らの学校の音楽担当教諭にしてイケメン。というかイケメン。ムカつくくらいイケメン。いや、嫌いではないぞ?

「ん?ああ、ななみか。何してるんだ?帰ったんじゃなかったのか?」

「何してるか聞いてるのはこっちですよ先生。俺は忘れ物取りに来ただけですよ。」

「そうかそうか。」

「で、何やってたんですか?」

「あー…ちょっと…な」

「なんか歯切れわるいっすね?」

「いや、なんでもないから気にするな!」

「その方が気になるんですが…」

いちか先生(イケメン)は内ポケットに何かをしまい、教室から出ていく前にこちらに振り返り、

「とりあえず、時間も時間だ。早く帰るんだぞ〜」

と、手をヒラヒラさせて出て行った。

「益々気になるじゃんか…」

まぁ気になった所で教えてはくれないだろう。

気にはなるが教科書取ってはち待ってから…

「みーくん!!置いてくなんて酷い!!!」

「はちが構うなって言ったんだろ…」

「構うなって言ってない!ほっといてって言ったんだよ!」

「世の中ではそれを構うなって言うんだぞ?」

「じゃあほっとくな!!!」

「なんじゃそりゃ…」

と、いつも通りのめちゃくちゃな言い分を聞きながら帰路に着く。

いつもの風景、いつもの会話、いつものはち。

俺の日常は変わらない。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「なんで俺なのかねぇ…」

俺はいちか。

教師になって7年

そろそろ学校の授業の流れや部活の顧問も慣れてきて生徒にも舐められなくなってきた。(一部そうでもない奴らがいるが)

そんな俺もそろそろ結婚を考えていたがまさか…

「生徒からラブレターとはねぇ…」

何故に30代前半の男を好きになるんだか…

まだまだ花の高校生なのにこんなおっさん好きにならんでもいいのに…

「さすがに生徒に手は出せんぞ。」

というかこのラブレター宛人が書かれてないんだね。

「一体誰なんだか…答えを言うことも許されないのか…」

一方通行の手紙を引き出しに仕舞い、俺は職員室を出た。

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