白い闇の果てに

プロローグ


 真っ暗闇の中で、私はゆっくりと瞼を動かす。少しずつひらけてくる視界は真っ白で、眩しいと思った。照明のせいか、天井が白いせいなのか、私には理解出来ない。そもそもどうしてこんな場所にいるんだろう。ああ、もしかしてうたた寝でもしてしまったのかな。

 私が首を動かそうとする。声も上げられない痛みに思わず顔を顰めた。どうして、こんなに痛いのだろう——誰かが私を覗き込んだ。ああ、見覚えがある。私はそれをゆっくりと認識して、同時にどうしてここにいるんだろうと首を傾げたくなった。上手く認識が出来ない。けれど聞こえた声は涙で声が震えていたけれどスッとこ心の中に入り込んできた。

「……生きてくれて、良かった」


     ◆


 

 

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