団子の跡

音澤 煙管

んー……こらっ!




空も機嫌が変わりやすい、

袖も長くしたり戻したりと。


秋の虫は相変わらずで、

小雨の中でも話している。


いつも屋根の下で眺めるヤツも、

風の誘いに負けていた。


窓の隙間を見つけ出し、

居なくなって早二日。


小雨もあるし空腹で、

この二日は何してるんだ?


届かぬ声を外へ向け、

気まぐれなヤツの帰り待つ。


そう思って聴き慣れた、

小声で近づくヤツの声。


やぁーお疲れさん!お帰りと、

お土産付けた顔撫でる。


さぁ入りなよ!と、

怒らないで?と顔低く。


食べて飲んだらシャンプーと、

寝る前には説教するよ!


小雨も上がり風が吹く、

猫の道には団子の跡が。









  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

団子の跡 音澤 煙管 @vrymtl

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ