異常な力の装備品2

一体何が起こったのか分からず呆然としてしまうティリア。そんなティリアの背中をグランがボンと叩いた。


「ほら!新入り!ボケっとしている余計に危険だぞ!」


ティリアがそう言われ、気づいたリアとクロムはどんどん先へと進んで行っていた。ティリアも慌ててグランに続くように2人の後を追いかける。


そして、それ以降もAランク級の魔物がリアに襲いかかっても、すぐに消えていつのまにか魔石に変わる現象が続いていた。ようやく少し冷静になって状況を見られるようになったティリアが一つだけ気づいたことがあった。


(あの大盾が魔物を吸収してる……!?)


襲いかかってくる魔物は全て、リアが持ってる大盾を前にして必ず消えている。よくしっかり観察していると、それは盾に吸い込まれているようにも見えた。


(何なの!?あの盾は!!?)


訳が分からず困惑するティリア。しかし、「迷宮」はティリアにそんなに考える余裕を与えてはくれない。ついに一行は第一層エリアの最深部に到着。その最深部に到着すれば当然……


「なっ!?もしかしてアレは!!?キングベヒーモス!!?」


ティリアも本の知識でしか見た事がないS級魔物のキングベヒーモスが、第一層エリアのエリアボスとして立ちはだかったのだ。

自分の身長の三倍以上はありそうな巨体を誇る魔物に怯えるティリア。やはり、4人での「迷宮」攻略なんて不可能なんだと心が折れそうになるティリアだったが……


「んなぁ!!?」


そんなティリアに更に衝撃の光景が目に飛び込んできた。リアは動揺する事なく大盾を構えると、キングベヒーモスの巨体はアッサリとその大盾に吸い込まれていったのである。そして、他の魔物と同様にリアの足元にキングベヒーモスらしき魔石が転がる。


「さぁ、第一層は攻略したから次へ行きましょう」


リアがそう声をかけると、クロムは笑って頷き、グランはキングベヒーモスの魔石を拾って2人の後に続く。

ティリアはその衝撃的な光景から呆然と立ち尽くしたままになっていたが、このままだとまた置いてかれてしまう事に気づき、すぐに走って三人の後を追った。

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