296カオス わたしの元気のもと
この春にわが家のインターネット接続環境が改善した(無線ルーターからフレッツに変えたことで回線切断が大幅に減った)結果、パソコンでYouTubeを視聴することが増えたわたし。
なにを見ているかというと、むかしのアニメを見ている。より正しくいうなら、むかしのアニメのオープニングテーマやエンディングテーマを好んできいています。若いころのわたしはアニメソングが好きだったので、その頃のアニメソングをYouTubeのなかかから探してきて聞いています。いまもアニソンを聞きながらこの文章を打っています。
高校時代か。
授業が終わると、まず部活へ顔を出します。卓球部だったのですが、ゆるーい部活だったので行ったり行かなかったり。自宅への帰り道では、本屋さんをハシゴします。今じゃ考えられないけど、3軒も4軒も行きつけの本屋さんがあった。目的は立ち読み。ほとんどの本、雑誌は立ち読みできる鷹揚な時代でした。
家へ戻ると、買ってきたSFの文庫本を読むか、ゲームブックをプレイしていました。パソコンは持ってなかった。そして仕方がないので、学校の宿題をする。そのときに聞いていたのが、ラジオからエアチェックして録り溜めてあるアニメソングでした。
あの頃のアニメソングを聞くと、不思議なんですけど一気に高校生だったあのころの気持ちに戻ります。むやみに元気で、希望があって、無敵な感じ。どうしてあんなに未来を信頼できていたんでしょうか。歌って、一瞬にして何十年もの時間を遡らせる不思議な力をもってます。もう失くしてしまったと思っていた、あの頃のわくわくした気持ちを取り戻すことができます。アニメや曲の出来がいいか、悪いかは無関係。あのころのアニメソングは「わたしの元気のもと」なんです。
小説もそういったところがあります。高校生の頃読んだ小説を手にすると、その本を買った本屋さんや、読んでいた時の気持ち、いろいろと考えたことがぶわっと思い出されます。ただ、小説は歌とちがって、読み返すことでそのときは分からなかった意味に気づいたり、年を経て自分が変化したことで受け取り方が変わったりしますけどね。読み返しても「新しい」ってところが少し違うかもしれません。
カクヨムの片隅でいま小説を書いているわたしには野望がありまして。
それは、わたしの書いた小説が、いつか「だれかの元気のもと」になることです。いまはそうじゃなくていいのですが、ずっと後になってわたしの小説を読んでくれた人が、
――この小説覚えてる。あの頃は楽しかったな。
と思ってくれたら、元気を出してくれたら、思い出の引き出しを開ける鍵となってくれたら、すばらしいなと思ってます。
そのためにはもっとたくさん書いて読んでもらわないと。
あと、若い人に読んでもらわないといけないのかなー。どうすればいいんだろ。
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