295カオス 読書感想文の思い出

 夏休みも折り返しを過ぎましたが、学生の皆さんはどうお過ごしでしょうか。「あー、もう半分終わっちゃった」でしょうか。「まだ、あと半分あるよ」でしょうか。最近の学校は、8月中に二学期が始まってしまうというところも多いらしいですね。子どもの頃、8月末までが夏休みだったわたしは、「可哀そうになあ」と思ってしまいます。もっと余裕をもった授業編成って組めないんですかね。勉強ばかりが人生じゃないでしょ(勉強ギライの子どもだったおじさんの感想です)。


 っと、ハナから脱線してしまいました。読書感想文でした。


 夏休みと言えば、「絵日記」「自由研究」「読書感想文」でしょう。えっ「絵日記」はお子様すぎる? たしかに小学校低学年だったような気もします。年取ると遠い思い出はなんでも一緒くたにしがちなんです(汗) どれも夏休みの課題で、なにひとつまともにやったことのないわたしですが、読書感想文くらいは8月31日にやっておこうかなと思うわけです、いつも(笑)でも、結局なにも書かずに二学期を迎えるってことを繰り返してたわけですが……。


 ひとつだけ覚えてる読書感想文があります。

 高校一年生のときの読書感想文。課題図書のようなものはなくて、本はなんでもよかったんですね。わたしが選んだのはハインラインの『スターファイター』でした。当時、創元推理文庫から出てたSFです。何を書いたかほとんど覚えていませんが、SFをネタに書いたことは鮮明に覚えてます。


 中学までは、「あれをしなさい」とか「こうしなさい」とか、親や先生に決められたとおりに勉強したり、部活したりすることを求められてて、読書感想文だって「この本の読書感想文を書きなさい」という形でやらされてたと思います。


 高校に入ると、そのあたりが自由になったんです。「きみたちが決めてやったらいいよ」って。公立高校にしては、学生の自治、自主性が比較的広く認められている学校だったと思いますね。管理教育に慣らされていたわたしには、ぴんと来ませんでしたが、教師による統制の緩さと、学生の比較的高いモラルのバランスがわたしにはとても心地よかった。


 高校一年生の読書感想文のことをいまでもよく覚えているのは、「本はなにを選んでもいいんだよ」と先生がわたしのことを信頼して課題を出してくれたことの、感動と結びついているのかもしれません。ひとりの人間として尊重してもらえた――おおげさですが、そんな感じ。


 で、尊重してもらった結果がSFで感想文しかも、内容が薄かったと思うんですよね……先生と学校に申し訳なかったなあ。といまになって思います。いまならもう少しましな感想文に仕上げられるはず。できることなら、書き直させていただきたい!

 

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