269カオス じぶんの小説が数値化される日
オリンピックまで残すところ、あとひと月だそうです。
はなはだ盛り上がらないオリンピック。
わたしにとって、ドラクエとオリンピックは、心の底から楽しみにしているコンテンツとして特別な存在です。いま多くの人から、このオリンピックが歓迎されていない状況は残念でなりません。
その残念なオリンピックの代表選考会となった陸上の日本選手権、男子100m決勝。史上最高レベルのメンバーが集まったと注目されていたレースで、多田選手が勝ちました。得意のロケットスタートから一度も先頭をゆずることなくゴールテープを切りましたね。おめでとうございます。
優勝タイムは10秒15でした。
めちゃくちゃ早いです。
わたしの100m走でもっとも早かったのは、高校三年生の体育の授業で計測した記録で、12秒1です。これでも、クラスで1番か2番目の記録だったんですよ? 今日の多田選手の記録と比べると、その差は距離に直して20メートル近くになり、日本のトップランナーは信じられないくらい早いというのがよく分かります。
いくら足が速いことを鼻にかけていた(高校生の)わたしでも、2秒の実力差の前には「勝負しよう」という気にはなれなかったと思います。
えっ、過去の自慢話だろって? ま、現在に自慢できるものがないので(笑)
陸上競技は、優劣が数字で表されます。勝負は記録上、明確です。10秒15の選手と12秒1の素人とが勝負にならないのは、だれの目にも明らかです。でも、小説ってどうですか。小説の優劣ってなんなんでしょうか。
優劣は数字で測れるものですか。それはPVですか、ハートの数ですか、☆の数ですか。また、ラノベと一般文芸は同じ日本語を使っていても、違うルールの競技(野球とソフトボールみたいに?)のように思えます。同じ数字を使って優劣が決められますか。どうも数字で小説の優劣は決められないように感じます。興味深くないですか。
だからなのか、わたしは身の程知らずに「じぶんの書く小説は最高におもしろい」とうぬぼれられるのです(アホ)。小説の評価って、読むの人の主観に大きく左右されるので、たとえどんな歴史的傑作であっても、読者がリテラシーを持たないうちは、その人にとっては駄作です。小説の評価ってほんとに難しいと思う。
それとも、小説のおもしろさも数字で計測できる時代がやってくるのでしょうか。そうなれば、とても効率的におもしろい小説を探すことができて、読者は安心して小説を読むことができる(駄作に時間をとられずにすむ)のかもしれませんが、わたしはきっと小説を書くのをやめてしまうのだろうなと思います。
だって、学校のテストからカクヨムのPVまで、数字を取るのがうまくないことだけは自信があるんですよ。
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