253カオス 大人と学校の関わり方
『アタックPTA』(細川貂々 朝日新聞出版)
えー。エッセイ漫画ということになっていますが、ひとりのキャラクターがPTAの本部役員となったことにはじまる一年を描くことを通してPTAのしくみを解説してくれる本です。
この春、うちの奥さんがPTAの役員決めのくじ引きに当たりまして(笑)なんとか部の部長さんをすることになりました。奥さんは、二週間くらいごはんが喉を通らなくなるほど落ち込みました(4キロほど体重が落ちて、そのことは喜んでいる)。
本自体は、こういうこともあろうかと一年前に買っていたものですが、今回改めて読み返してみて、PTAのしくみがだいぶわかってきたようにも思います。
奥さんは本部役員ではないのですが、本部で決めた(いや、ほとんど毎年申し送りになっている)PTAの行事をどのPTA役員で回していくか、担当の振り分けと、学校外の関係者との調整という本部とヒラの役員さんとの間をつなぐ部長という役割。そもそも「嫌で嫌でたまらない役割」を引き当ててショックだったようです。
『アタックPTA』を読むと、本部役員さんが一番しんどいらしいですね。そりゃそうです。うちの奥さんみたく、嫌々やってる役員さんを宥めすかしてPTA行事を進めていかなくではならないんですから。事務仕事に加えて、心理的負担も大きいと思います。
我が家でも、◯◯部の年間予定とか、役員の担当分担表とか、「家にいてまでワープロ打たなあかんのかい?」という作業を手伝わせてもらいました。あと奥さんにパソコンの使い方を教えてあげました。
夏休みのプール開放日? コロナだからそんなのやめようよー。去年はやめたじゃん。クラスター発生したらだれが責任取るのさ。学校? 親? 関われば関わるほど、じぶんたちだけでは決められないもどかしさがあるのが、PTA活動です。
三年間、本部役員をした細川貂々さんが本のさいごに書いてますが、とにかく無関心らしいです、PTA活動に対して。大部分の親も、先生も。
うちの小学校でもPTAとの窓口は教頭先生で、普通の先生がたは関わらないかなあと思います。学校で邪魔もの扱いなのなら、親たちの間でも邪魔ものなので、やめちゃえばいいのに、あるいは改革すればいいのに。
きっとPTAってだれにとっても、「いっときやり過ごせば、あとは襲ってこないモンスター」のような位置付けなんですよね、きっと。だから、本気で関わろうとしない。数年すれば子どもは成長して学校を卒業、PTAとは関係がなくなる、その活動が煩わしいこととも相まって、積極的に関わらろうとしない。
住民が学校と関わる窓口として、教育委員会というのがありますが、教育委員会は行政側の組織という意識が、行政にも住民にもあるじゃないですか。PTAが機能すれば、学校行政に住民の意見を反映させるいい装置となるんじゃないかなあ――と思うんですけどね。
ただ、PTAは古いしくみで、どうしようもなく硬直化してる。関わりたい人、関わりたくない人共通して、変革を求めてない。変わらないよなあ。
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