249カオス 本にまつわるこういうことが嫌い

『わたしと本の日々』というタイトルでエッセイを書いているので、本にまつわることはなんでも好きなのかもしれないと、考えての方もおられるかもしれませんが、いくつか嫌いなこともあります。きのう、図書館に行ったときにそれを感じたので、きょうはそのことについて書いてみようと思います。


 きのう、いつも通っている図書館に本を借りに行きました。図書館っていいですねえ、ただで本が借りられて。考えてみてください。音楽CDや映画のDVDをレンタルしようとしたら、一枚当たり300円とかレンタル料を取られるんですよ。それが図書館で本を借りる場合、2,000円も3,000円もする本がタダで借りられる……図書館っていうのはじつに太っ腹な施設です。赤字経営でしかありえない組織なのに運営し続ける行政にも感謝してます。図書館ずっとつづけてください。お願いします。


 おっと、図書館に対する感謝の気持ちが溢れすぎました。

 本にまつわる嫌いなことでしたね。


 きのう、図書館で息子のための本を借りていると、絵本の朗読会をやってたんです。ボランティアの人たちが、子どもたちに絵本の読み聞かせをするっていうよくあるやつです。けさも、60代、70代のおばさまたちが、年端もいかない子どもたちを10人余り集めて読み聞かせをしていました……。


 文章に悪意を感じる?

 そうなんです。わたし、このボランティアによる読み聞かせってやつ嫌いなんです。もしボランティアで読み聞かせされている人がいたらすみません。


 どうしてか。

「わたしたちは無垢な子どもたちに対してよいことをしてあげているんだ」というような態度のようなものが鼻につくんですよね。すごく大人の(しかも「読書」について意識高い系の)身勝手を感じる。


 子どものころから大嫌い。


 わたしは好きで、楽しいから本を読んでいるのに、それをことさら「本の読むことであなたの心が豊かになるの。素晴らしいでしょ」って、じぶんの価値感を押し付けようとしてくる大人は非常に苦手。そういうのが好きな人の間でやってほしい。わたしはほうっておいてほしい。


 わたしは本を読んで「よい大人」になるつもりはないし、本を読んだからといって心が豊かになったり、良識のある大人になるわけではないと思う。本好きにも了見の狭い人がいたっていいし、悪人もいるはずだ。もっといえば、本の中にも悪書とよばれるものはたくさんある。それですら、悪書がどうかの判断は読んだ人それぞれなんだし。


 楽しく本を読んできて、本に感動をもらった人が、本のすばらしさを子どもたちに伝えたいという気持ちはとてもよくわかるが、本や読書をあたかも神聖なもののように喧伝するのはやめてほしい。読書を信仰にしちゃだめなんだよ~。


 子どもには自由に本を読ませてやってくれ!

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