211カオス ものの見方を変えてみる
雑誌は読まれますか?
出版不況ということで、雑誌の休刊、廃刊が続き読まなくなりましたか。はなから雑誌など読んだことはありませんか。
わたしについて書くと、パソコン誌を読んでました。PCゲームが好きだったので、学生の頃はホビーパソコン誌を読んでました。
昔話になりますが、80年代には『LOGiN』『POPCOM』『テクノポリス』『コンプティーク』といったホビーパソコン誌がありました。いまとなってはすべて姿を消してしまいました(『コンプティーク』はまだありますが、とてもパソコン誌とは呼べない内容になって長い)。
ホビーパソコンというのは、遊び(主にゲームをする)に使われるパソコンとその遊び方にフィーチャーした紙面づくりがなされていた雑誌で、80年代半ばの若者をターゲットにつぎつぎと創刊されたのです。
アニメ誌とホビーパソコン誌というのは、80年代を象徴するコンテンツです。技術革新が進んだことで、特別お金持ちでなくとも、ビデオデッキやパソコンを買うことができるようになり、自宅にこもってビデオを見たり、パソコンで遊んだりすることが趣味として成立するようになったのです。いわゆるオタクが生まれたわけですね。
このオタク文化を広めたのは、明らかに雑誌です。げんにわたしが「オタク」という言葉を知ったのも、『MSX・FAN』というホビーパソコン誌の紙面ででした。
オタクって、単にアニメが好きとかゲームが好きの人をさすのではなくて、
オタク的な思考様式や生活様式を身につけた人のことをいうのだと思うのですが、わたしはホビーパソコン誌を読んでたおかげで、パソコンオタク(インターネット普及以前)的なものの見方をずっとしてるように感じます。
あと20年くらい前は、競走馬育成ゲーム『ウイニングポスト』の影響で競馬好きになりJRAの機関紙『優駿』を毎号買ってました。これは競馬の雑誌ですが、馬、馬主、調教師、騎手、生産牧場といったとこに焦点が合わせてある雑誌で、ギャンブルとしての競馬にはほとんど触れられていません。
競馬にギャンブルのイメージしかもっていなかったわたしにとって、生産者と馬、調教師と馬、馬主と馬、騎手と馬との間にそれぞれドラマあるということを教えてくれた『優駿』の紙面づくりはとても新鮮でした。先日、ダービーを勝ったジャングルポケットが死亡したというニュースを見ましたが、ちょうどその頃です。『優駿』を読んでたのは。
同じ競馬というものを見ても、『優駿』を読む前のわたしと、読んだ後のわたしでは見え方が変わったのです。それはこの雑誌がわたしに新しい足場を与え、異なる立ち位置から競馬を見ることができるようになったということなのでしょう。
長いこと生きてると、頭が固くなります。そりゃ間違いない。若い頃のように、柔軟に物事を吸収するなんてことはできなくなります。せめて、ものの見方を変えて頭のなかに新鮮な空気を送り込まないと(笑)
最近、『芸術新潮』って雑誌を読んでます。なかなかおもしろい。絵画とか、彫刻とか、写真とか、陶器とか……の芸術です。詳しくはないものの絵は好きなのですが、芸術系の雑誌があるとは最近まで知らなくて、ジュンク堂をぶらぶらしてて見つけたのでした。大きな本屋さんのメリットはこれだなと。小さな本屋さんにはない雑誌がある。バックナンバーまで棚にある。
雑誌で芸術を読むとか、いまの芸術とかまったくわかってないので新鮮です。意味わからない(笑)やはり、芸術系の人たちってなんかフツーじゃない。それが楽しいです。
小説を書くのに役に立つかどうかわかりませんが、現在、新しいわたしを探索中。なにかおもしろいものが見つかればいいのですが……
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