210カオス うっせえわ!

 息子よ、うっせぇわ! なんど聴かせれば気が済むねん。うるさいし、ムカつくわ。ちっとは黙っとれ。





 いまわが家では、小学二年生の息子が『うっせぇわ』を熱唱しております。エブリデイ、エブリタイム&エンドレス。あーうっとうしい。お父さんの我慢はそろそろ限界です。


 わたしが『うっせぇわ』をはじめて聴いたのは今年に入ってから。高校生が歌っていて、YouTubeでものすごく再生されているらしい――へえ。と思って聞いていましたが、このブームが小学生にまで押し寄せてきたようで、うちの息子は四六時中歌ってます。


 ――うっせぇ、うっせぇ、うっせぇわ〜♪


 うるさいのは、お・ま・え・だ・!


 ――うっせぇ、うっせぇ、うっせぇわ〜♪


 お前、意味知らずに歌ってるやろ。


 ――うっせぇ、うっせぇ、うっせぇわ〜♪


 お父さんのいうことを聞け!


 ――うっせぇ、うっせぇ、うっせぇわ〜♪


 ……。


 ――うっせぇ、うっせぇ、うっせぇわ〜♪




 小学校でもみんなどハマりしているようで、やめるように言っても止まりません。それでも平日はまだマシなのですが、休日はずっと家にいるので、YouTubeの動画を続けざまに見せられて親のイライラもピークです。


 曲自体に文句があるわけではありません。むしろ、わたしもずっと歌詞にあるように思ってきたクチなので「やってやれ、やってやれ」と応援したい気持ちになります。


 が、8歳の子どもにいい加減にやめなさいと注意すると……


 ――何回聞かせるんだそのメモリー♪

 ――うっせぇ、うっせぇ、うっせぇわ〜♪


 とくるわけです。


 歌詞の出来栄えに感心するやら、息子の態度にムカつくやら、この曲のおかげで世のお父さんお母さんは、子どもを叱りにくくなって大変です。ブームよ収まってくれ。

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