184カオス しあわせなエッセイ
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
と、新たに2021年が、はじまりましたが、特筆すべきことは何もなく、いつもの週末という感じで年始を過ごしています。コロナの感染拡大が凄まじいので実家の両親の顔を見ることもなく(うつしてはいけない)、家に引きこもっているのです。みなさんは、このお正月どう過ごされてますか、初詣には行かれましたか?
さてさて、エッセイのネタもお正月がらみのものは何もなく、毎日「どーしよーかなー、カクヨム」と首を捻っては考え込んでいます。
今回は「幸せってなんだ」ということについて、エッセイを読んで感心したので、そのことを書いてみようと思います。
去年の春、長年乗ってきた愛車とお別れして、新しい車に乗り換えたのですが、その際、「JAF会員になりませんか、一年分の年会費はウチが負担しますから」とディーラーさんが言ってくれたので、運転歴25年で初めてJAF(Japan Automobile Federation 日本自動車連盟)会員になりました。
JAF会員になると、「JAF Mate」という機関紙が送られてくるのですが、くだんのエッセイはJAF Mate 2021年1月号の巻頭に稲垣えみ子さんが寄稿したエッセイ「幸せってなんだろう」です。
内容は、「幸せとは何か、それは人を幸せにすることだ」というシンプルなもの。ちょっと長いですが抜粋すると――
> 人は自らを幸せにすることはできないのであります。だって幸せになろうとすることは何かを期待すること。そして期待は常に裏切られる。他人がいつもあなたの都合よく動いてくれるなんてあるわけない。だからあなたは失望する。幸せになろとすることそのものが不幸の元になってしまうわけですね。
> 私がこの偉大なメソッドに気づいたのは実にしょうもないことがきっかけだった。私は5年前に会社を辞めた。自分の意思で決めたことだったが、そこそこの衝撃はあった。一番ムッとしたのは、肩書きを失った途端にナメた態度に出てくる仕事相手がいたことだ。全てのやりとりが命令口調、これが社内の出来事ならあらゆる手を使い成敗するところだが、今や私は取り替え可能な一業者。どうすることもできぬ。
> どんな相手でも世話になっていることには違いない。ならば怒る代わりに、全力で感謝の意を表明してやろうではないか。
> メールが来たら、秒で返信。お世話になってます! ありがとうございます! と一言も添えた。予想はできたが反応ゼロ。それでもめげずに続けた。
> しばらくして相手が担当替えになり、最後の挨拶のメールに「いつもお返事に励まされてました」とあった。いや私、思わずガッツポーズとったね。別に何かもらえるわけじゃない。
> でもなぜか、このイケ好かない野郎が私のメールでちょっと幸せになっていたという事実だけで私は嬉しかったのだ。なるほどこれからの人生、このようにやっていけばいいのではないか。
> すると我が世界は一変したのだ。何しろ自分がどんなひどい状況にあろうとも周りはみな笑顔。思えばこれが幸せというのではないか。
これを幸せというのかどうか分かりませんが、ホントそのとおりだと思うんです。自分が手に入れようとするばかりでは、happyにはなれない。他人任せだから。他人は自分の思うとおりにはならない。人生で唯一確実なことは、「やってもらいたいことほど、自分でやる」ということです。
稲垣さんは、朝日新聞の論説委員、編集委員を務めたエリートだったそうです。上から目線で書くことを許してもらえるなら、大新聞の記者として組織に守られてきたからこそ、稲垣さんはフリーとなった50歳になるまでこのことに気づけないでいたのでしょう。下っ端の社員なら10年早く気づいたと思います。退社せずにいつまでも、引用部分の傍点のようなことをやっていたら、本当のhappyには辿り着けなかったはず。辞めて正解だったと思います。人生なにが大切って、しあわせであることほど大切なことはありませんからね。
――最近、おもしろい小説がないねん。
――なんや聞いたこともない作家ばかりになってきて。
――ラノベとか、ネット小説とか、わけわからんし。
――だれか、ホンマにおもしろい小説教えてくれへんやろか。
そんなのだれも教えてくれません。
どこにもありません。
ホンマにおもしろい小説というのは、あなたのなかにあるものなんですよ。だれにも教えられるわけがないんです。
だから、ホラ、あなたが書きはじめないと。
しゃーない、書くかなー。
あと、即返信もしたほうがええやろか……。
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