161カオス 名刺がわりの10作
あいるさんの呼びかけに呼応して、わたしの10選、発表させていただきます。自分でも、藤光がどんな小説でできあがっているのか、とても興味があります。じゃあ、いってみよー。
① 宇宙の孤児/ハインライン
② 両棲人間/ベリャーエフ
③「シャーロック・ホームズ」シリーズ/コナン・ドイル
④「ダーコーヴァ年代記」シリーズ/ブラッドリー
⑤ 三国志/吉川英治
⑥ ネバーランドのリンゴ/林友彦
⑦ 夜来たる/アシモフ
⑧ 播磨灘物語/司馬遼太郎
⑨ 魔術はささやく/宮部みゆき
⑩ ことり/小川洋子
……と、なりました〜♪
「解説」
基本的にわたしが読んだ年代順に並べています。知ってる小説はありましたか、藤光はおおむねこういう要素で成り立っています。
①②④⑦は、SFです。③と⑨はミステリ。⑤と⑧は、歴史小説です。⑥はファンタジー。
①は小学生のときに読んだ本で、強烈な印象が残っています。SF原体験というか、小説ってものを意識したのは、SFが最初だったんですね、わたしの場合。②は中学生のときに読んだSFで、ベリャーエフという人は科学を用いる人間を独特の感傷をもって描くことのできるすばらしい作家だと思います。
③シャーロック・ホームズは、中学生の読む定番本で説明の必要がないくらい。コナン・ドイルという人は、小説を書く天才だと思う。ホームズで、ビクトリア朝時代を知る人がどれほど多いことか。
④は、高校時代に刊行されるのを楽しみにしていたシリーズ。ファンタジー色の強いSFであると同時に、ジェンダーと女の生き方をテーマに取り込んだ物語でした。ある意味、わたしの女性観を形作るひとつの柱を作った小説。
⑤は、光栄(いまのコーエーテクモゲームス)のシミュレーションゲーム『三国志』と同時並行してめちゃ読みました。何人、武将の名前を空で言えたことか。これを読んでないと中国の歴史はちんぷんかんぷんだったと思います。
⑥は、ゲームブックです。いまのアラフィフ世代にだけ特異的に見られる、ゲームブックという文化を偏愛している人たち。わたしがそうなのですが(笑)読者がつくる物語という本の形は、ある意味究極の本ではないですか。その無謀な挑戦の記憶は忘れられないですね〜。
⑦、SFってどんな小説なのって聞かれたら、「アシモフの『夜来たる』を読めばいいよ」って答えます。SFのすべてがここに入っている。そんな小説です。
⑧、司馬遼太郎の本はどれもおもしろいですが、この本は我が故郷、兵庫県を主な舞台に戦国一の切もの、黒田官兵衛が活躍する物語です。歴史とわたしが、大地を媒介にして繋がっているんだということに気づかせてくれた本。
⑨、すごい作家が現れたと、この人の本をぜんぶ読もうと、宮部みゆきさんにどハマりするきっかけとなった本です。宮部さんの書く小説のように、のどごしが良くてぐいぐい読める小説を書きたい――わたしの目標です。
①から⑨までで24歳くらいまでに読んだ本ですね。その人の血肉となっていく小説というのは、若い頃に読んだものが多くなるのではないでしょうか。若い頃に良書と出会っておけというのは、正しいと思いますね。(はたして、わたしの読書が正しかったのかどうか……)
⑩は、去年読んだ本じゃないかな。小川洋子さんは『博士の愛した数式』が圧倒的に読みやすく、かつ名作ですが、わたしにとってBestは『ことり』ですね。
不器用な生き方しかできないふたりの兄弟の生涯を描いた小説ですが、その悲しげで、慎ましやかな様子がわたしには泣けて泣けてたまらない。「あなたもそれでいい」と諭され、励まされているようで忘れ難い小説です。
さて、名刺がわりに小説を10作あげてみましたが、どうだったでしょうか。わたしも「おれってこういう小説から出来上がってるんだ」とおもしろいやら、納得するやら……楽しめました。あいるさんありがとう。
みなさんもぜひ、名刺がわりの10作、リストアップしてみては? 思いがけない自分が発見できるかもしれません。ではでは。
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