160カオス アメリカ大統領選挙2020

 アメリカの大統領選挙、投票から4日がたとうとしているのに、次の大統領はトランプなのかバイデンなのか、勝敗の行方がわからない。いったいどうなっているんだ。テレビのニュースも大統領選挙に疲れてきている――うちの奥さんは呆れています。


 まあ、そうだよね。日本の常識からすると、時間がかかりすぎ。


 今回の大統領選挙は、過去にないほどの注目を世界中の人から集めました。現代で最高のポピュリスト、ドナルド・トランプの4年間が、そのお膝元のアメリカでどう審判されるのか、皆が非常に興味を持っていたからです。


 選挙の本質は、そんな単純な話ではないのでしょうが、トランプという大統領があまりにも道化ピエロなので、そのことばかりに視線が向いてしまいます。

 

 この4年間は本当に酷かった。


 トランプは、ことあるごとに「フェイクニュースだ」といって、自身に不利な報道や情報を相手にせず、逆に自身にとって都合の良い情報ばかりを、SNSなどを通じて発信し続けた――とわたしは思っています。


 非常に不誠実な態度だと思う。


 自分だけがよければいいというものではない。


 トランプは本業が不動産屋で、政治も商売と同じように思っているのかもしれませんが、政治と金儲けを混同してはいけない。政治というのは、利害を異にする人々の幸福度をいかに最大限まで高めるかという行為です。人は決してお金によってのみ幸せになる存在ではありません、


 ――結局、金が欲しいんだろ。だったらおれたちはどうすりゃあいいんだ!


 この4年間、アメリカ人が大統領から突きつけられ続けた課題は深刻です。これまで本音と建前を使い分けてきたアメリカ政治の排泄物が自分たちの前にさらけ出されたのですから。


 多くのアメリカ人が拒否反応を示した結果、トランプは大統領の座から、いままさに引きずり下ろされようとしています。アメリカ人は「臭いものには蓋をする」選択をしつつあり、それは仕方がないと思います。あまりにも人間の本音トランプは醜かった。


 トランプがやってきた「自分に都合のよいものだけをものとして扱い、そうでないものはとして扱う」という政治スタイルは、この国の政治家にも模倣され、政治不信から一歩進んで、を生みました。


 対話のないところに民主政治はあり得ません。対話の前提となるものは礼節だ。わたしたちはよく考えなければならない。


 この国が、アメリカの同盟国でその軍事的影響下にある限り、アメリカの大統領は、すなわち日本の大統領であるのと変わりません。


 アメリカのみなさんには、ぜひよく考えて大統領を選出してほしいと思います。

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