155カオス 平成はこうだった
令和に入って一年半が経ちました。早いもんです、年月の過ぎるのは。昭和が平成になったのが、ついこの間のように思われますが、もう30年以上たつんですね。長生きはしてみるものです。
やっとというか、いまさらというか、平成という時代を振り返ってみようかなと思いました。
【お笑いの時代】
平成というのは、第一にふざけた時代でしたね。「お笑い」というエンタメがテレビや雑誌を席巻して、真面目はかっこ悪い、お笑いカッコいいという意識が人々のあいだに根を下ろした30年でした。
昭和時代のテレビって、まじめくさったものが多かったんですよ。時代が重くって、真面目だったんでしょうね。それが昭和の末期になると、だんだん緩んでくる。80年代は時代が緩く、軽くなっていく。
まさに、わたしは80年代に多感な時期を過ごした。軽薄な世代。お笑いでいうと、ナインティナインがわたしたちの世代ですが、彼らは見事にわたしたちの世代を体現していますね。ウィットとスマートが彼らのキーワードだと思うのです。
(ナイナイの岡村さん結婚しましたね、ついに。おめでとうございます)
文章にもそれは言えて、わたしはウィットにあふれるスマートな文章が書きたいんですよ〜。実際にそうした文章が書けているかは別にして、憧れますね。
言葉にウィットをこめると、どうしても文章がくだけていって、文字がふざけはじめるんですよ。80年代後半のパソコン誌の文章なんかまさにその先端をいっていて、どんどん文章がくだけて、ふざけはじめてましたね。わたしの書く文章は、この80年代パソコン誌の影響が強いと思います。特に、このエッセイで。
平成時代は、「お笑い」がテレビに持ち込んだ、この緩くてふざけた表現が、お笑いコンテンツ以外のものへ敷衍していった30年ですね。NHKにそれは顕著ですよ。この平成にNHKの番組がどれほど変わったことか! 昔は北朝鮮の国営放送みたいだったんですよ。
【変わらない生活様式】
一方で、平成時代を通じて変わらなかったものもたくさんあります。むしろ、変わらなかった時代なのかもしれません。
わたしを中心に考えてみます。
わたしは物心ついた時から、家にカラーテレビがあって、電話があって、冷蔵庫があって、自動車がありましたが、わたしの父が子どもの頃(戦争の頃)は、どれもありませんでした。
いま、わたしの家にあるもので、わたしが子どもの頃になかったものは、パソコンとスマホだけです。基本的には30年前の生活も今の生活も便利さの点ではあまり変わらないんですよ。
消費するモノの面でも、変わらないものはたくさんあります。アニメやゲームのコンテンツですね。
「ちびまる子ちゃん」は30年続いているし、「ドラゴンクエスト」は35年。「ドラえもん」や「ガンダム」は、40年経っても古びることないお化けコンテンツだ。
こうした古びない「定番消費財」が現れたのが平成時代の大きな特徴です。昭和の時代にこういう「定番」は育たなかった。それは、昭和が急激な生活スタイルの変化を伴う時代で、価値観の転変が激しかったからだと思いますね。言い換えれば、平成は価値観の転変のない、凪の時代だったということです。
さて、令和2年もそろそろ終盤に差し掛かってきましたが、令和はどんな時代になるんでしょうか。「ちびまる子ちゃん」放映打ち切り、ガンプラ生産中止……なんてことになるんでしょうか、ならないんでしょうか。「鬼滅の刃」が巨大コンテンツに成長するんでしょうか??
見守っていきたいです。
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