117カオス 本好きにはたまらない
本が好きなんだなあ。
でも、わたしは根っからの本好き……ではないと思うんです。そんなに本が好きというわけではないけれど、ずっと読んできたし、だれか友達と一緒にいるよりは、ひとりで本を読んでいる時間の方が好きだったので、徐々に本が好きになったのだろうと思います。
本好きなら、この物語はきっと気に入るはず――という小説が、三上延さんの『ビブリア古書堂の事件手帖』シリーズ。
『ビブリア――』の魅力はなんといっても、登場してくるさまざまな古書と書籍にまつわるうんちくの数々、そして古書店や古書の取引に関する雑学も増えるというおまけ付き。「小説好き」はもちろん、特に「本好き」にはたまらないシリーズとなっています。
シリーズがはじまった当時、古書をテーマにとったミステリは珍しく、しかも内容が本好きのツボにはまっていたこともあって評判が評判を呼ぶ大ヒット。わたしが手にしたのも、この第二巻が発売された頃だったと思います。とにかく、第一巻、第二巻は衝撃的に面白かったです。
そして、本屋大賞にノミネート。2012年の本屋大賞は、辞書の編纂をテーマに扱った三浦しをんさんの『舟を編む』だったのですが、わたしには『ビブリア――』の方がおもしろかったですね。
巻を重ねて、最新巻の『ビブリア古書堂の事件手帖Ⅱ -扉子と空白の時-』は、シリーズの9作目。シリーズものの宿命か、内容はすっかり落ち着いて新たなサプライズがあるわけではありませんが、堅実におもしろいです。
今回ビブリアが取り上げるのは、ザ・昭和の探偵小説家ともいえる横溝正史の作品たち。学生の頃、角川文庫で散々読んだ横溝正史が三十年の時を超えて取り上げられたのは、うれしかったですね。
因習に縛られた地方の旧家で起こる、謎めいた連続殺人事件――煽り文句だけでも、わくわくしてしまう。『犬神家の一族』読み返してみるかな。
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