78カオス スランプからの脱出法について

 アイデアが浮かばない。

 なかなか筆が進まない。

 小説が書けない!


 スランプというやつは、いつか必ず書き手のもとにやってきます。それがまた、「絶好調!」と感じたその直後にやってきたりするものだから厄介です。そんな経験ありませんか?


 スランプは辛い。


 私は、単なるアマチュアで趣味のひとつとして小説を書いているに過ぎないのに、こんなに辛いと感じるわけですから、プロの小説家がスランプに陥るとどれほど辛い思いをするのか、見当もつきません。


 そうなんです。

 じつは私は絶賛スランプ中でして、なかなか筆が進まないですね〜。アイデアも見事に湧いてこない。私がこのエッセイばかり書いているのは、簡単にいうとスランプだからなんですよー。


 私が小説を書きはじめて5年くらいたちますが、いまのスランプは長いです。去年の春くらいからはじまったので、かれこれ1年以上経ちます。


 それまでにもスランプはありました。

 スランプには、だれにでもできる解消法というのがありまして、それを実行すればいずれ乗り切れます。私はそうしてきました。


 行き詰まってるアイデアや小説を放り出して、忘れるんです。別の趣味に一生懸命になったり、映画を見たり、ゲームをしたり小説とは違うことを自分にインプットしていくんですよ。


 小説にだけにかかりきりになると、そのうち燃料を使いきってガス欠を起こしてしまいます。別のところからエネルギーを補給して、ふたたび走りだすための燃料を溜め込まないといけないのです。


 それにスランプっていうのは、書く技量の上昇カーブが踊り場に差し掛かったときに訪れるものです。

 小説を書く技量っていうのは、書きはじめた時点から、急カーブを描いて上昇していきます。最初のうちは、だれにだって伸びしろがたくさんあるからです。このときは書いていてもとても楽しい。


 ところが、いずれこのカーブの上昇角度はゆるやかになっていきます。だれだってそうです。文豪だって、ベストセラー作家だってそうだったはずです。

 そして、あるときカーブを描いていたはずのラインが、カーブでなくどこまでも水平に伸びはじめていることに気づくわけです。その人の技量の限界に行き着いたらこうなります。


 あれっ。

 今までように、書いていても達成感がない。小説に上達していく実感がない。自分が思い描く小説と、実際に自分に書ける小説とのあいだにギャップが生じた時に、「こんなはずじゃない」という心の動きが生まれる――これがスランプの正体です。

 こういう状態になったときは辛いです。書けないことも辛いですし、書いたものがつまらなく見えてしまうのも辛いです。


 スランプがないって人は、自分のこうした技量の上昇カーブが「踊り場」に差し掛かったことに気づかない人か、その技量で十分だと感じている人なんでしょう。ある意味それで正解かもしれません。


 でも、私はもっとうまくなりたいですね〜。

 

「踊り場」に差し掛かった人は、そこが現時点での自分の限界だと知る、それこそ謙虚にそう理解するってことが必要じゃないかと私は思ってます。

 そして、そのことは考えない。考えたところで小説を書く腕は上がらないですから。それより、新しいことをどんどんインプットしていく。だって、現状自分の能力は足りていないのだから、外部から新しいものの見方をインストールしていって自分をアップグレードしていかないとね。


 スランプに陥って一年あまり。私にも少しずつエネルギーがたまってきたように思います。小説の更新はなかなかはかどりませんが、がんばって書いていこうと考えています。

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