54カオス 新型コロナウイルスがやってきて
小説のアイデアがつぎからつぎへと浮かんでくる人はうらやましい。
なかなか「これだ!」というアイデアがひらめくことは少ないと思います。なにか思いついても、すぐにメモしないとあっという間に記憶の津波に押し流されて忘れてしまいますよね。
けさ、アイデアというほどではないけれど、「おもしろいな」と感じたことがあったので、メモがわりにここに書いておきます。
私は毎朝電車に乗って出勤します。車両にはたくさんの人が乗っています。座席に座っている人、立って吊革につかまっている人、スマホをいじっている人、本を読んでいる人、窓の外流れる景色を見ている人。
電車の中というのは、一種独特の空間で、公共の場でありながら、非常にたくさんの人たちに共有されていながら、みんな思いおもいに――放心したような顔で、過ごしている。変でしょ?
いつもはこんなふうに考えたりはしませんが、今週に入ってから「マスク」の人が増えたので、そのことを考えていたら変に思えてきました。
いまどきの若い学生。きれいなマフラーを巻いた女。くたびれたスーツの中年男、疲れ表情をした初老の女。マスクをつけた人はさまざまです。特別な共通項はなにも見つからない。ただ、たくさんいる。マスクをつけていない人と明確なちがいがあるわけでもない。マスクをつけていない人も、心の中ではマスクをしたいなと思っているのかもしれない。
――みんな死にたくないんだな。
と考えたときに「これっておもしろくない?」と心の中で自分につっこんだのでした。
中国武漢発の新型肺炎は、東アジアを中心にパニックを引き起こしてます。
国内の患者が16人(2月3日、厚生労働省HP)。隠れた数があるのは間違いありませんが、一億二千万人のうち16人。数字だけを見れば、ほとんどの人にとって新型肺炎は、自分や家族にとって無関係な病気のはずです。
インフルエンザの罹患者は一週間で8万9千人(これも厚生労働省HP)、新型肺炎よりインフルエンザの方がよほど身近で怖い病気のはずですが、どうも人の心理というものは理屈で測れないもののようです。
朝からこんなこと考えてて。
これって小説のネタにならないかなあ。
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