53カオス 仮面がくれる開放感

 ようこそ! 舞踏会へ


 10年以上前のことになりますが、劇団四季のミュージカル『オペラ座の怪人』を観劇したことがあります。劇団四季の舞台を観たのはその時が初めてで、「すげーな」と、このときはじめて劇団四季やミュージカルの魅力に気付かされたのでした。


 この『オペラ座の怪人』のなかに仮面舞踏会の場面があります。オペラ座で催された仮面舞踏会に「怪人」が乱入してきて、怪人自作のオペラ上演を要求する――というシーンですが、劇中の登場人物が豪華な衣装と仮面に身を包み、入れ替わり立ち替わり踊る仮面舞踏会の場面は、劇中曲「マスカレード」の素晴らしさも相まって、このミュージカル最大の見せ場と私は思っているのですが――なんでみんな仮面をつけるの?


 仮面には魔力がありますね。


 最近、風邪をひいているわけでもないのに、使い捨てマスクをつけている人がいますね。女性に多いように感じていましたが、男性にも結構います。


 ググってみると「マスク依存症」などという言葉も出てきます。


 依存するかどうかはともかくとして、マスクで顔を隠すと安心した気分になる――というのは、実際、私もそう感じることがあるのでわかります。

 人に見せたくないと感じている自分を、いっとき隠してくれる(実際にはほとんど隠れていなくて、だれなのかは判別できるのだけれど)。そして、そのことでリラックスできるため普段の自分より少し大胆になれる。


 意外にも仮面マスク魔力ちからは、人を隠すことにはたらくのではなく、人の隠れた能力や魅力を引き出すことの方にはたらくものらしいのです。




 カクヨム は、仮面舞踏会です。


 書き手も、読み手もここでは匿名という仮面を身につけた舞踏会の招待客。素顔の自分をいっときの仮面で覆うことによって、心の垣根を低くし、自由に創作を楽しむ空間を共有している――舞踏会を踊ることができるのです。


 私を含めて、仮面をまとっているがために、大胆な小説を書くことができていると感じている人も多くいることでしょう。仮面の魔力によって(笑)


 ただ、仮面は仮面。


 いつかは素顔のままで小説を書いて、それを読んでもらいたいと思っているのですが、なかなか。一般文芸の公募に投稿するってハードル高いです。

 まだしばらくは「仮面の宴」を楽しむだけにしておこうかな。


 いやー、今回は戯言でした。


 

 

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