3カオス 幾つから読みはじめても遅くない

 NHKEテレの教養番組「100分de名著」は、どんな人が見ているのか?


 このところ「100分de名著」にハマっている私は、読むのは「100分de名著」のテキスト、見るのは「100分de名著」のYouTube動画、書くのも「100分de名著」に関するエッセイと、「100分de名著」漬けな日々を送っています(ちょっと「100分de名著」がうるさいですか?)。


 実は「100分de名著」を知ってから、私は毎日が楽しくなりました。NHKテキストはわかりやすい上に、いままで知らなかったことや、「難しそうだ」と避けていたことが、名著の「指南役」と呼ばれる解説者の文章で簡潔にまとめられており、非常に得をした気分になれます。


 ずいぶん前からEテレに「100分de名著」という番組があることには気づいていましたが、


 ――たかが100分でなにが分かるものか。


と、番組を見もしないのに、私はくだらないと決めつけていたのです。


 まったくの誤解――というか、番組のコンセプトを理解できていませんでした。この番組に関して私は愚か者であったと告白しなければならないでしょう。


 ――おれ、バカでした。


 ところで、この「100分de名著」というEテレの番組、だれが見ているのでしょう? 非常に上質な教養番組だと思うのですが、視聴率はあるのでしょうか。自分がひいきにしている番組であるがゆえに、気になります。


 ……と考えながらググってみると、番組プロデューサーのインタビュー記事に行き当たりました。とってもいいインタビューなので以下に引用します。


https://www.univcoop.or.jp/fresh/book/izumi/news/news_detail_145.html


 インタビューによると、もともと


「若いころに忙しくて読めなかった本を定年後に読んでみようと思うが手掛かりがないと読めない、などという学びなおし世代の人たち」


に向けて制作された番組なんですね。道理で取り上げられる本のラインナップが渋いと思いました。


 更に


「全体の傾向として、仏教系は凄く人気があります。経典は関心が高い。お年寄りに好評なんですね」


とあります。


 なるほど。人生がたそがれに差し掛かると

人は自身の来し方行く末の読み解き方を宗教書に求めるということなんでしょうか。それが仏典というのがこの国らしいですね。


 番組で小説を取り上げることについては


「比較的関心が低いのは文学です」


ということなので、どうも人気の点で小説(文学)はイマイチのようです。小説好きの私としてはショックですね。


 インタビューは最後に、番組プロデューサーが「可能性を広げてくれる2冊」として、ミヒャエル・エンデ『モモ』とヴィクトル・E・フランクル『夜と霧』を自身の体験を交えながら挙げる形で終わっています。私はとても感銘を受けたので、気になる人はぜひ読んでみてください。




 さて――実際「100分de名著」はどんな人が見てるんでしょうねえ。

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