レイさんとの冒険!!
レイさんと二人で森に来ていた。
最近、
それに対して二人で調査をして欲しいとのことだったので、断る理由も僕にはなく結局レイさんとペアを組むことにした。
そして遠出をする準備をして、ペアとなってから三日後の今に森の調査をしている。
「レイさん、そういえば初めて会った時にも森の調査をしていたって言ってましたよね?」
「ああ、それなんだが…恥ずかしい話で調査不足ってことで突き返されたんだ。」
そういって、返されたらしい調査書を見せてもらった。
「えーと、<<足跡なし、臭いなし、生態系異常なし>>って…この三行だけですか?」
「まさか、、だめ…なのか?かといって、これ以上書くこともないし…」
「わかりました。調べるのと報告は僕に任せてください」
なんとなく、組合本部が僕とレイさんを組ませた理由を理解した。おそらく、あまり重要でない案件ならレイさんの報告書で受理していただろう。
しかし、これは大型の魔物が絡む案件、絶対に絶対の確認が欲しいのだろう。そこで、僕だ。戦闘能力はからっきしだが、冒険者テストで高得点を出したからだろう。戦闘能力は高いが、調査能力の低いレイさんにぴったりだ。
本部からしてみれば、男冒険者の囲い込み、森の調査、一石二鳥なのだ。
そんなことを考えているとレイさんが口を開いた。
「そういえば、せっかくペアを組むことになったんだしお互いに…相棒とか呼び合ってみないか…?」
真面目なレイさんからの提案だった。僕と上手くやっていこうとしてくれているんだろう…うれしい話だ。
「いえ!やめておきます!」
危険を察知したので断っておくことにした。
「な!なんでだ!この<<幼馴染は冒険者>>っていう本でもお互い相棒呼びだぞ!」
「なんとなくそんな気はしてました…僕はやめておきますね。ごめんなさい…」
「くそーー!!私は相棒ってよんでやるからなああああ!」
やっぱり、断って正解だった。
「相棒って呼ぶほど冒険者ランクが釣り合ってませんし…それに、僕はレイさんって呼び方気に入ってるんですよ。」
そういうとレイさんはちょっと喜んでた。
「まあ、それはいいとして今後の調査方針を決めましょう」
「それなんだが、
まあ、確かに大型の魔物は水辺に縄張りを作るという通説がある。
「
「そんなの、この森腐るほどあるじゃないか…」
「それに巣は作りますが、他の魔族に比べても縄張りに固執せず移動が多いです。」
「じゃあなおさら探すの難しくないか…そんなの…」
「いえ、作戦は二つあります。一つは実質不可能に近いので、まあ一つしかないといってもいいですね。
乾燥している場所を移動するのが多い分、朽ち木や枯れ葉などに痕跡が残りやすいんです。それを探しましょう。」
「なるほど!相棒は頭がいいんだな!それでいこう。」
「問題があって、痕跡が残るほど物資が多いところって、モンスター娘の集落が多いんですよね……」
「安心しろ。仮にも私はAランクだ。それくらい守るさ。」
作戦は驚くほど簡単に決まった。うまくいくといいんだけど。
でも、こういう作戦を立てずともAランクまで上がることのできたレイさんって実はものすごく実力者なんじゃ…。
作戦を開始から一か所目…
「ひゃっはああああ!!!男だああああ!!」
「お前は右から回り込んでズボンを剥げ!あたしは左からいく!」
「とりあえず、みんな足止めしろおおお!」
レイさんも応戦して、片っ端からちぎっては投げちぎっては投げを繰り返しているが、いかんせん数が多くて焼石に水だ。
「レイさん!!大丈夫ですか!!」
「私は大丈夫だ!それよりも相棒だけでも先に逃げてくれ!!私がここで足止めする。」
確かに、合理的に考えれば僕がさっさと逃げればいいだけの話だ。
相手は僕を見失って、
でも、そんな簡単に見捨ててもいいのか?そんな逡巡が命取りとなった。
「えへへ、ちゅーかまーえたー!!」
「って、のわああああああ!!」
両足をつかまれて盛大に転げてしまった。
それを見た
「えへ、えへ、いいにおいするねー昨日お風呂に入ってないからかな?」
「ぺろっ!ぺろっ!汗もおいしいねえ!」
やっやっやばい!といか、僕のズボンどこいった?
っちょちょっとホントにやばい。
右見ても蜂娘、左見ても蜂娘、上見ても蜂娘。
「お姉ちゃんとキスしようねー」
「わたしもわたしもー」
「あたしの羽根でこしょこしょしたげるね!」
羽根でわき腹を撫でられる。
おなかにも一人くっついていて、その娘からおなかにキスの雨がふる…。
あーなんか、ちょっと気持ちいいかも…
もうなんでもいいやと思いかけていたら…ドオゴッ!!!上にいる娘が急に吹っ飛んだ。
「誰の相棒に手を出してるんだ」
体中に蜂娘をまとったレイさんが鬼の形相で握りこぶしを固く握りそこにいた。
「わたしはな!相棒の蕩けた表情は好きだが、NTRはきらいなんだよおおおおおおおおおお!!!!!!」
とかたっぱしから、殴りだした。
なぐられた娘は5mほど吹っ飛びピクリとも動かなくなった。
それを見た蜂娘は一人、また一人と逃げて行く。
そして、最後には気絶した蜂娘が数人残るだけとなった…
「さあ、行こうか相棒!」
レイさんがニッコリして言ってきた。
実はこの森で一番ヤバいのってレイさんなのかもしれない。
僕は蜂娘に脱がされた衣服をいそいそとまとい、レイさんの後ろについていこうとする。
ふと、周りを見渡すと遠くに蜂娘が幾人かこちらをうかがっているのが見えた。気絶している仲間を救出しようとこちらをうかがっているのだろうか?
「なんか、不憫ですよね」
モンスター娘ってだけで人間よりも男日照りで…たまにぶらさがってる
そう、だから薬草と動物除けの香を焚いていくことにした。
「相棒!どうした?早く調べないか?」
「ごめんなさい!行きましょう」
………
……
幾時間か作業したところ、さしたる成果もなかった。そんな時だ、レイさんからの提案が出た。
「少し試してみたいことがあるんだ。もしかしたら、これをしないと見つけられないかもしれない。いや、しないといけないことだな。うん。そうだ。そうに違いない」
レイさんの様子はどこか落ち着きがなく、手を小さくふらふらと動かしていた。しかし、その眼には硬い意志が宿っていたことを僕は見逃さなかった。
間違いない。レイさんはでっかいことをやろうとしている。
「それは、どういう作戦ですか…?」
「いや、これは君には教えられないんだ…ええと…そう!教えたら、効果が半減してしまう。だから知らないでいて欲しいし、気にしないでいて欲しい。やれば狼が見つかるというわけでもないが、やらなければ絶対に狼は見つけられないんだ。私を信じてくれ」
「分かりました。お願いします。頑張ってください!」
レイさんは変なところはあるが根はすごく真面目なんだ。信じる価値のある作戦だろう。でもレイさんばかりに任せていいのか?否!僕とレイさんはペアなのだ。手伝えるならば、手伝うに越したことはない。
「レイさん!僕に手伝えることはないんですか?僕…何でもしますよ!」
「うぇえ!?なんでも…なんでもって、いやせっかくなら頼むか…ここはビビっちゃだめだ!へたれるな…私!成し遂げるんだ!」
あのレイさんが足をもじもじして怖気ずくほどの作戦、自分を鼓舞しないといけないほどの作戦。こんな時に僕にできることはなんだ。そっとレイさんの背中を押してあげることだけだ。
「大丈夫です。レイさんならやれます。」
「くぉぉぉぉおおお、やっぱりダメだあああ」
頭をブンブン降って金髪の髪を揺らす。なにがダメなものか。僕はレイさんを信じてる。
そんなレイさんは目をつぶって思考を巡らせている。レイさんが決断を戸惑う。
……
…
レイさんが口を開く。
「ダメだ。相棒を裏切ることはやっぱりできない。」
「…え?」
「お〇にーがしたいんだ。パンツをくれ。」
「……は?」
聞き間違いかな?どうにも僕って難聴なところがあるからなあ。はっはっは。
「聞こえなかったかもう一度言おう。お〇にーがしたいんだ。パンツをくれ。」
「ええええええぇぇえええ!!!」
「仕方ないだろう!普段はこんな明るい時間にしたくなる時はないし、一人での冒険でしたいときにできるんだ!!相棒のせいだからな!!」
「ええっでも…」
それは暴論だと言いそうになった。
「本当は私も言いたくなかった…誤魔化したかった。でも相棒なんだ。大事なことを嘘をつくのはよくない!」
こんな短期間でも、レイさんは僕のことを相棒だと思ってくれているんだ。そう思うとジーンとくる。
ここは僕も応えてあげないといけない!
「パンツは貸しません。勝手にしてきてください。」
レイさんは「勝手にどっか行っちゃだめだぞ!くそおおおおぉぉ!」っていって茂みの中に走って行ってしまった。ほんとにまじめな人だな。
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