第四十二話 最終ボス戦 1

 私が中に入ってすぐ扉が閉まった。


 でもこれはボスベ部屋ではいつもの事。ただ違うのはボスモンスターが五体いること位。


 ――皆ボス何体いるか分かる?


 私が何かおかしいのかと思い聞いて見る。


「五体ですね」


「五体居るな」


「五体どす」


「五体だよ」


 皆、五体見えているようだ。


 ――だよね。


 部屋の中が明るくなり持っている武器まではっきり見えてくる。


「はぁ~」


 私はそれを見てため息が出てしまった。


 前衛にいるゴブリンが持っているのは大きな盾。その後ろに剣を持つ者、刀、弓、杖と続いていく。


 ボス以外のゴブリン達と全く同じ武器を持っている。ただ違うのはその大きさ。不鬱のゴブリン達は私よりも少し大きく体だったのが今目の前にいるのは五階層にいたゴブリンキングと同じサイズのゴブリン達である。


「検索」


 ゴブリン達のステータスを確認してみると、


 ゴブリン盾使い☆


 耐性:火 風 水 雷 自然 土


 全てのボスゴブリンの名前の横に星マークがついている。


 それが何かは分からないが普通のゴブリン達とは別物と考えるべきだと思った。


 今回の武器は特に何か能力を持っている訳ではないようだが、一番後ろにいる魔道士が一番厄介なのは確かでアル。


「どういたしますか?」


 ――まず初めに魔道士を狙うよ。それから他のゴブリン達を倒す。


「それしかないよね」


「やってやるぜ」


 精霊達もやる気のようであった。


 ゴブリン達はこちらの様子をうかがっているようで動こうとしない。


 それならと思い、全力で魔道士の元へと向かって行く。


 だが、私の動きに合わせて他のゴブリン達が動いてくる。


 魔道士への道を防ぐように動いている。


 そして完全に道は防がれてしまった。


 それと同時に剣士が一体こちらに向かってくる。


「フィールド展開」


 ゴブリン達の耐性を消しておく。


 私は向かってく来るゴブリン対して、


「サンダーショット」


 今回は全力で雷の弾を百発ゴブリン剣士☆に向かって放つ。


 やったと思ったそのとき、ゴブリン剣士の前に水の盾が現れた。そしてその盾によって私の魔法は完全に防がれてしまう。


 それに対して驚く以外出来なかった。


 普通雷属性の魔法を防ぐために土魔法が使われるが基本。だが今回のゴブリン魔道士が使ったのは水のシールド。普通なら貫通して倒せているはず。だが、一部例外もあるそれは、水魔法の使い手に中でも上位の一部の人の身が使える魔法『ピュアウォーターシールド』、この魔法でのみ、水魔法で雷魔法を防ぐことが出来る。


 だがそれをゴブリン、モンスターが使ってくるとは思わなかった。そしてそれと同時に嫌な予感がお玉の中をよぎった。


 ――まさか上位系の魔法を全て使えることはないよね?


「ないと思いたいですね」


 フレイも分からないみたい。


 そして水のシールドが消えらすぐにこちらに向かってくる。


 魔法がダメなら接近戦しかないと思い、刀を抜き構える。


 左右に一本ずつ。右に刀と左に雷刀。


 私はそれらの刀に、


「切れ味アップ、強度アップ、効果二倍」


 三つの付与魔法を付与。それから服に防御力アップを付与して向かって行く。


 背後にはファイアーランスを十本展開。至近距離でならぶつけることが出来るのではないかと思い準備しておく。


 ――もしもの時は、あれ使うからよろしくね。


 五階層で使った精霊五体憑依。これを使えば三十分間は五体の精霊と憑依出来る。だが制限時間を過ぎてしまうとその後しばらくは精霊達の憑依が出来なくなってしまう。


「分かりました。ですがお使いになるタイミングは慎重に」


 ――分かってるって。


 ゴブリンはすでに目の前にいた。そのまま剣を横から振ってくる。私はそれを軽くかわしてフライの魔法で空中で制止する。


 そしてそのままゴブリンに突撃していく。


 後ろに用意していたファイアーランスを放つ。それをかわそうと動くゴブリン。私はそれを囮に使って背後に回り込み斬りかかるが、思っていた以上に反応速度よくてかわされしまう。


「うそでしょ!」


 それに対してかなり驚いてしまった。


「フレイ解除、アクア憑依」


 フレイからアクアへと変更。


「ミスト」


 水魔法で辺り一面を霧で埋め尽くす。


 ゴブリン達から私は見えないが、私は探知の魔法ゴブリン達の性格な位置まで把握できる。


 霧が有効な間に、魔道士の元へとたどり着く。他のゴブリン達はまだ気づいていない。


 そのまま、ゴブリン魔道士を刀で切り裂いて倒す。防御自体は後衛のモンスター出会ったためかかなり低かったようだ。


 そして後四体になった。

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