第四十三話 最終ボス戦 2
霧が晴れて周りが鮮明に見えるようになってきた。
先程倒したゴブリン魔道士☆。まだ消えていない。
そして仲間の一体がやられたことにより他のゴブリン達の怒りあらわにし始める。
先程まで攻撃に参加していなかった他の三体もこちらを敵として認識している目をしている。
私は四体めがけて雷魔法『サンダーボール』を数発放つ。だが何故か放った魔法は全てゴブリン盾使い☆へと向かって飛んでいく。
「なんで!」
思わずそんな声が漏れてしまった。
確かに四体それぞれにめがけて魔法を放ったはずなのに。
今度は別の魔法をゴブリン剣士☆めがけて放った。
やはり魔法はゴブリン盾使い☆に飛んでいく。
――一体どうなっての?
「ミレイ、あれが盾使いの魔法じゃないの」
アクアがそんな事を言っている。
「確かにそれ以外ないな」
ライトも同じ意見だった。
ただでさえ今回のボス戦は五体のモンスターとの戦闘なのにその上でそれぞれかなり厄介な能力まで持っているなんてウソでしょ。
でもそんな事を言っている場合じゃないと、分かっていてもいい案が浮かばない。
――皆何かいい案はない?
私は精霊達の知恵を借りようとする。
「このまま魔法を放ち続けるのはダメドスか?」
――ナチュラ! それじゃ先に私の魔力が……、そうだそれだ!
私は最初さすがにと思ったが全ての魔法が一体のゴブリンに」集るのならそれを逆手に取ればいい。
そうと決まれば、
「ライト解除、フレイ憑依」
ライトとフレイを交換する。
「ファイアーボール、アイスショット」
火と水の魔法を交互に放つ。それらの魔法は全てゴブリン盾使い☆に向かってたんで行く。だがそれを見ているだけのゴブリン達でがない。
弓使いがこちらに向かって屋を数本はなってくる。
私はそれをかわすために一時的に魔法を放つのをやめる。
「もう少しなのに」
あと少しで狙いが成功しそうな所での攻撃。
私の回避先に先回りしていたゴブリン剣士☆二体。
体勢を立て直すまでの隙を突き攻撃を仕掛けてくる。
「ウインドシールド」
風のシールドで受け止めながら盾持ちに向かっての魔法攻撃を再開。
だが風のシールドもそんなに長いことは持たずにすぐに崩壊してしまう。
そんなに簡単に壊せるような魔力量じゃないのに。
私はまたモンスターの特殊能力かと思いため息をつく。
防御も殆ど持たずに連続での魔法攻撃が出来ない。
それで攻撃を回避する合間を縫って魔法を放っていく。
そして、バキ!
盾からひびがが入る音がした。
「待ってました! ウインドカッター!」
盾のひびの場所を狙って全力の魔法放つ。
風魔法を受けた盾は粉々に壊れてしまった。
「ミレイ様一体何を?」
フレイは私が一体何をしたのか分からないでいた。
――それはね、火と氷を交互にぶつけることで盾に亀裂を入れたの。
この事件が起きる五日前。
私は刀屋アジルの当主アルベの所に行っていた。そのときに堅い金属の壊し方について聞いていたのだ。
――最後に風魔法を亀裂にぶつけることで盾は壊れたの。
「層だったのですか。さすがミレイ様です」
ん~、そうかな。
などと思っていたが口に出さないでいた。
そして、防御のすべを失ったゴブリン達。私はアイテムポーチから魔力回復ポーションを数本飲み完全回復させて、全力の魔法はぶっ放した。
四体を倒しきれなかったがほぼ動けない状態。
後は止めを刺したら今回の長かったダンジョン攻略も終了。
などと考えながら倒していく。
そして、最後の一体を倒した所で五体全てのゴブリンがドロップアイテムへと変わっていく。
私はそれを回収し終った所で、
先へ進みますか
YSE/NO
最終階層のボス戦の時に出てくるような文字が現れた。
「やっと終った~!」
私はYESを選び今回の依頼が終ったこと実感した。
YESを選んでから少しして目の前が白くなっていったのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます