第二十五話 事件
昇格試験から二週間が過ぎたある日の朝。
この街にもの凄い地震が起きた。
「なにこの揺れ!」
ミレイは枕で頭を抑えてベットの上でうずくまりながら揺れが収まるのを待っていた。
ミレイは昔、村で起きた地震で怖い思いをしていた。それから小さな揺れでも怯えるようになってしまったのである。
それからしばらくして揺れがおさまる。
「大丈夫ミレイ? 揺れ収まったよ」
「本当に?」
目に涙を浮かべながら聞いてくるミレイ。
「大丈夫だよ。ほら起きようよ」
「うん」
涙を拭きながらベットから降りる。
「でも今の揺れ何だったんだろう?」
「分かりません。ですがギルドなら何か情報をつかんでいるかも知れません」
「そうだね。急いで行こう」
寝間着からいつもの服に着替えて外にでる。
すると他の人達も外に出て話し合っていた。
私は、ダッシュで冒険者ギルドへと向かう。
すでにギルド内は人でごったがいしていた。
「おい、今の揺れは何なんだ!」
「この街に何が起こったの?」
受付ではいろいろな人が揺れについて聞いている。
するとどこからか名前を呼ぶ声が聞こえてきた。
「ミレイ、ミレイ!」
声の方を見てみるとグレイさんがいた。
「グレイさんも揺れについて聞きに来たのですか?」
「いや俺はギルドマスターに用があってな」
「地震の件でですか?」
「ああそうだ」
すぐに二階へと向かうグレイさん。
それに着いていくミレイ。
「失礼するぜ!」
マスター室のドアを思いっきり開けて中に入るグレイさん。
「失礼します」
小声で言うミレイ。
「グレイかよく来てくれた丁度今前を呼ぼうとしてた所じゃ」
「じゃやっぱりなのか」
「ああ」
二人の話について行けない。
「やっぱりって何なのですか?」
「嬢ちゃんもいたのか。これは手間が省けた」
「そんな事よりも何の話をしているんですか?」
「この街に新たなダンジョンが誕生したんだ」
「え~!」
無茶苦茶驚くミレイ。だが二人はお構いなしに話を続けていた。
「グレイ仲間達を連れてきてくれるかすぐに会議に入る」
「それはいいんだが、ギルドのないに押し寄せている奴らはどうするんだ?」
「それはこっちに任せておけ。お前はすぐに仲間達を連れてこい」
「了解だ!」
部屋から飛び出していくグレイさん。
「私は何をしたらいいですか?」
正気に戻ったミレイ。
「嬢ちゃんはここにいてくれ」
「分かりました」
その後すぐにギルドマスターも部屋から出て行く。
――フレイ、ダンジョンって生まれるものなの?
「はいその通りです。その際に今回のような強い地震が起きるようですね」
――元々この世界にあるものじゃないの?
「それは違います。数百年に初めてこの世界にダンジョンが現れました。それ以降ときより新たなダンジョンが生まれているようですが原因などは分かっておりません」
――じゃ、私達がいた村で起きたあの地震は何だったの?
「普通の地震かと思います。揺れ事態も小さかったですし」
――そうなんだ。新たな楽しみが増えたって事だよね。
内心でウキウキして笑顔になっているミレイ。
そんな事を話しているとギルドマスター達が戻ってきた。
グレイさんの後ろには私の知らない人が四人もいる。
「これで全員揃ったな」
「ギルドマスター、ダンジョンが新たに生まれたって本当なの?」
グレイさんの仲間の女性が聞く。
「ああ、本当だ。ギルド員に調査にも行かせて確認も取ってある」
「そうなの」
「それよりもお前達Aランクパーティーに集ってもらったのは頼みがあるからだ」
すみません。私AランクパーティーでもなければAランク冒険者でもはないのですが。
「ダンジョンの調査か?」
「そうだ。他の者が近づく前に向かってもらいた。ここにいる六人でな」
なんで私も入っているんですか!
ミレイのことなんて無視して話が続くのだった。
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