第二十三話 休日 1
翌日。
昨夜は疲れから宿の部屋に戻るとすぐに寝てしまっていた。
この街に来てから二日間何かと大変だったこともあり今日は休みにしようと考えていた。
宿の食堂で朝食を食べ終わった後、街の探索へと出かける。
この二日かで行ったのは街の西側にあるし商業区と冒険者ギルドのある南側のみで北側と東側には行ったことが無った。
「ミレイ様今日は何処へ行かれるのですか?」
精霊達の今日の予定を説明するのをすっかり忘れていたミレイ。
――今日は一日休みして街の探索に行こうかと思ってるんだけどダメかな?
「よいお考えだと思います。定期的に休みをいれて休みを取ることも冒険者として大切な事かと」
「なら私達も今日は別行動してもいいかな?」
「これアクア、私達はミレイ様に仕える精霊なのですか休日であろうとおそばに仕えるの私達なおですよ」
――私は別にいいけど、何処か行きたいとこでもあるの?
「まあね~」
アクアは鼻歌混じりに答える。
――他の皆も行きたいところあるなら行ってきていいよ。いつも皆にはお世話になってるからね。
そう言うとフレイ以外の精霊達は何処かへ行ってしまう。
――皆夜までには戻ってきてね! フレイは何処か行きたいところ無かったの?
「私はミレイ様の行くところに付いていくだけです」
――そっか。
ゆっくりと休んでもらっていいのにと思うミレイ。
最初にミレイがやって来たのは冒険者ギルド。昨日のダンジョンでのドロップ品を買い取りしてもらおうと思いやって来た。
時間は朝二の鐘が鳴り終わっており人が殆どいない。
「すみません、買い取り買い取りいいですか?」
「はい、いいですよってミレイちゃんじゃない」
いつものお姉さんであった。
ドロップ品をお姉さんに渡しながら、
「今日はゆっくりのようだけどどうかしたの?」
「はい、今日は冒険者活動をお休みにして街の探索でもしようと思いまして」
「それはいいわね。それじゃ街の北側に『ムーレ』って言うお店がるんだけそこのパンケーキがとってもおいしいのよ。もしよかったら行ってみて」
それを聞いた瞬間ミレイの目はキラキラしていると同時に口からよだれが垂れていた。
「はい行ってきます」
「即答ね。もしかしてミレイちゃん甘い物に目がないのかしら?」
「そうなんですよ。村にいたときなんてママに頼んで毎日ケーキなんかを作ってもらってました」
「じゃあまた今度渡しが休みのときにでもスイーツ巡りでもする?」
「はい!」
元気のいい返事。
「じゃあまた今度ね」
などと話していた。買い取り金をアイテムポーチにしまい、冒険者ギルドを後にして街の北側へと向かう。先程受付のお姉さんに教えてもらった『ムーレ』へと向かうのである。
まだ昼には早いこともあり、最初に街の東側になる武器屋を見ることにした。
このアーミスの街は大きく分けると四つに分けることが出来る。まず初めに南区。ここは冒険者ギルドや宿がある居住区。西側はいろいろな商店がある商業区。東側は武器を売る店や鍛冶師の工房がある武器区。そして北側は飲食店が並ぶ食業区とされている。
東側武器区にやって来たミレイ。どのような武器があるかいろいろな店を見てみながら歩き回っていた。
今までに見たこと武器が沢山ある。だが自分の使っている刀がないことに気づく。
「すみません、刀って置いてないのですか?」
気になりお店の人に聞いて見る。
「刀か、あれは置いてないな」
「どうしてなのですか?」
「売れないからさ。刀身は片方にしか歯がなく細い。それに折れやすい。そんな物を好んで使う奴はいね~よ。それに値段がバカ高いからな」
「ではこの辺りに刀を取り扱っているお店なんて無いんですか?」
もしかしたらと思い聞いて見ると、
「一つだけあるぜ。この道を真っ直ぐ行ったところに『アジル』って店がある。たしかそこにあったはずだ」
「ありがとうございます」
ぺこりと頭を下げてお礼を言ってお店を後にしてアジルと言うお店に向かった。
そのお店は周りの建物よりも古くお客さんが誰一人もいない。
中に置いてある武器は全て刀で値段がもの凄く高い。
とりあえずお店の人に話を聞こうと話し掛けてみることにした。
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