第二十二話 中級ダンジョン ボス戦 2
まず初めにあえて盾を狙う。刀に効果二倍を付与。
盾は紙切れのように真っ二つに切れそれと同時にゴブリンキングの左腕も切り落とされる。
「が~!」
痛みのあまり切られた左腕を押さえながら叫ぶ。
初級ダンジョンのときも同じ事があったためその対策もしっかりと取っている。
風魔法で両耳を覆い音を遮断する。
「完璧!」
どや顔で言う。
ゴブリンキングが叫ぶのをやめると、もの凄いスピードこちらに近づいてくる。
ゴブリンキングはミレイをにらみつけている。
だがさっきとは違う。向かってくるゴブリンキングに対してミレイも向かって行く。
ゴブリンキングの間合いに入るとすぐに斧を振り下ろしてくるが、それが落ちてくるよりも先に片足を切り落とす。
片足を失ったことでバランスを崩し倒れる。何とか立とうとしているが片足がないため立ち上がれない。
そこめがけて止めを指して倒す。
「最初の方が楽しかったかも?」
やっぱりリミッターを外さずにもう少し戦いを楽しめばよかったのかなと思う。
「お疲れ。後半は圧倒的だったな」
こちらに近づいてくるグレイさん。
「なんで最初からその戦い方をしなかったんだ?」
「最初は初級のゴブリンキングとの力の差を確かめていただけですよ」
言えないよ。一撃を倒そうとして失敗してたなんて。
「そんな事よりも早く冒険者ギルドに戻りましょう」
「そうだな。報告もしないとだしな」
「はい!」
ドロップ品をアイテムポーチにしまった後入り口に向かって来た道を戻り始める。
ダンジョンを出るまでの間ゴブリン達との戦闘も何回かあったが全てを一撃で足しながら出口へと戻ってきた。
外に出るとすでに日が暮れ始めていた。
「もうこんな時間だったのですね」
ダンジョン内にいると時間の概念を失ってしまう。
「以外と早く戻ってこれたんじゃねえか? 俺は二日程かかってもおかしくないと思っていたがな」
「そうなんですか?」
頭を捻りながら聞き返す。
「基本的に初めてこのダンジョンに挑戦したCランク冒険者は二・三日戻ってこないのが普通だからな、まあそんな事よりもギルドに戻ろうぜ」
「そうですね。私も早くCランクに昇格したいですし」
駆け足でグレイさんの前を進んでいくミレイ。
「そんな慌てなくても昇格は逃げ」
「は~い」
冒険者ギルドへと戻る。
ミレイ達冒険者ギルドに着いた頃には空が少し暗くなっていて仕事やダンジョンから戻ってきた冒険者達が集っていた。
受付の列に並ぼうとしたとき、
「早いじゃないか」
後ろから声がすると思い振り返るとそこにギルドマスターがいた。
「なんでギルドマスターがこんな所に!」
かなりびっくりした。
「驚かせてスマンかったな。わしはいつもこの時間はギルド内を見て歩いているのじゃ」
「そんな事よりもマスター報告いいか」
「そうじゃの。応接室に行こうか」
ギルドマスターに続き受付の奥にある部屋へと向かう。
部屋の中には長いすが二つと机が一つあるだけだった。それ以外にあるのは部屋の隅に植物が置いてあるくらいである。
部屋の入るとギルドマスターの向かいに座るように言われる。
私とグレイさんは、指示に従いイスに座る。
それと同時にドアがノックされる。
「失礼いたします」
受付にいた女性がお茶を三つ持って部屋に入ってきた。
私達の前にお茶を並べたらすぐに部屋から出て行く。
「それじゃ、報告を聞こうか」
ギルドマスターから話し始めた。
「ああ、結果から言うとゴブリンキングを圧倒していた」
それからグレイさんから私のダンジョン内での戦いが語られた。
「報告は以上だ」
「分かった。嬢ちゃんギルドカードを見せてもらってもよいかの?」
ギルドマスターにギルドカードを渡す。
「うむ確認した。今からギルドカードの更新を行うよて少し待ってもらってよいかの?」
「はい! お願いします」
その言葉を聞き部屋を出て行くギルドマスター。
しばらくしてギルドマスターが戻ってきた。
「待たせたの、これが嬢ちゃんの新しいギルドカードじゃ」
ギルドマスターから受け取ったかギルドカードには前までEと書いてあったところにCと書いてある。
「これで正式にCランクになったの」
「ありがとうございます」
「それとこれも渡しておくぞい」
もう一枚カードをもらった。
「これは?」
「それはCランクに上がった者全員に渡しておる初級ダンジョンへの永久許可書じゃ。それがあれば受付での許可書がなくても初級ダンジョンに挑戦することができるのじゃ」
それからCランクの説明がされて解散となった。
グレイさんはまだ少しギルドマスターと話しがあるそうで私だけ宿に帰っていくのだった。
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