第十一話 ダンジョン 1
翌朝。
宿で朝食を食べた私は早速初級ダンジョンへと向かった。
街の中は朝も早いことがあり今から仕事に行く人で一杯だった。
ダンジョンへと向かう途中、ギルドの前を通りかかると沢山の人が中へと入って行っている。
それから待ちを出てダンジョンへと到着した。
ダンジョン自体はあまり大きくなかった。
私が中に入ろうとすると、
「お嬢ちゃんここはとても危険な場所なんだ。遊ぶならもっと他の場所にしなさい」
入り口で門番をしている男に止められる。
「すみません。これを見せないといけないんですよね」
昨日ギルドで発行してもらったダンジョン挑戦の許可書を見せると、
「冒険者の方でしたか。失礼いたしました。中へどうぞ」
入り口を開けてくれた。
ダンジョン内は外と違い少し薄暗い。
――少し暗いかな? ライトいい?
「了解だぜ」
「ライト憑依」
ライトと融合した私は、
「ライト」
雷魔法の『ライト』は攻撃魔法でなく、暗い場所を照らしてくれる明かりを作り出さす魔法である。
「解除、それからアクア、ウインディー、ナッシー憑依」
ライトとの融合を解き違う三体の精霊と融合する。
腰には異空間収納より取り出した刀を下げて準備完了。ダンジョンを進み始める。
中に入ってからしばらくして察知に反応があった。次の曲がり角を曲がったところの一体いる。
そこに向かって行くと、そこにいたのは武器を持たないゴブリンであった。このアーミスにあるダンジョンで現れるモンスターは全てゴブリンである。それ以外のモンスターは出てこない。昨日ギルドでもらった指南書に書いてあった。
「ゴブリンだ。ゴブリンがいる」
初めてのダンジョンで初めてのゴブリン。私は凄くワクワクしていた。
「ミレイ様、少しはしゃぎすぎです」
――だって、初めてのゴブリンとの戦闘だよ。そりゃはしゃぐよ。
少しため息をつくフレイ。
「早速倒しちゃうよ、
風の魔法を使い、ゴブリンの胴体を真っ二つにする。
「一撃で終わっちゃった!」
――かなり力を押さえて放ったのに簡単に倒せちゃったよ。
「ミレイ様のお使いになる魔法は全て最高ランクのものと威力はい変わりません。それにここは初級ダンジョン、モンスター事態もそこまで強くありません。それに耐性持ちもいないのですから当たり前です」
フレイの説明が入る。
――そうだよね。
少しがっかり。
「次へ進もうぜ。きっとボスはもう少し強いよ」
――そうだね。
気持ちを持ち直し、ドロップ品の宝石を回収して先へと進んでいく。
一階層で遭遇するのは武器を持たないゴブリンばかりで全てを魔法一発で倒しながら進んでいく。
その間、何人かの冒険者がゴブリンと戦闘しているのを見かけたが少し苦戦しているように見えた。
なんであの程度の相手に苦戦しているんだろう。
などと思いながら先に進んでいく。
そして、二階層への階段を見つけた。
「あった、あった。次の階層への階段だ」
階段の近くで休んでいる冒険者達がいる。
次の階層への階段がある近くは安全地帯となっておりモンスター達は近づいてっこない。そのため休息を取るための場所として冒険者達に使われている。
私は、休憩している冒険者達に挨拶だけして二階層へと上がろうとすると、
「お嬢ちゃん、二階層は危険だからやめておけ」
「そうよ。一階層とは違って二階層から上のゴブリン達は武器を使ってる来るわ」
「ご忠告ありがとうございます」
それだけ言って階段を上り二階層へとやってきた。
雰囲気自体は一階層と変わらないが、察知に引っかかるゴブリンの気配は一階層より少し強く感じる。
どんなゴブリンがいるのか今から楽しみである。
「ミレイ様、すごく楽しそうですね」
――そうかな~。そんなことないよ~。
フレイの言う通りすごく楽しそうにしているミレイ。そしてすでに先ほどのことをもう忘れてしまっている。
二階層の中をしばらく歩いている一体のゴブリンを発見。一階層のゴブリンと違い腰に剣を下げている。
それを見て一撃で倒してもつまらないと思い腰の刀を抜き構えて戦闘態勢を取る。
まだこちらに気づかない。なので近くにある石を軽く投げてぶつけると、睨みながらこちらを見てくる。
「気づいてくれたよ!」
「ミレイ様は馬鹿なのですか?」
――どうして?
「あえてゴブリンに気づかれるよなことをするからです」
――だって、一階層じゃ気づかれないように魔法放って一撃で倒してたけど、戦闘らしい戦闘はできなかったしもん。だから今回こそはちゃんとした戦闘がしたいよ。
「はぁ~」
私の言葉に対してため息を吐くフレイ。
「分かりました。ですがおふざけは程々にしておいてくださいね」
――は~い。
そんな会話をしている間にゴブリンがすぐそこまで近づいていた。
剣を振り下ろしてくるゴブリン。それを後ろに下がりかわす。
そして一撃で倒す。
「物足りないなよ~」
ため息交じり呟き、ドロップアイテムを回収して先へと進んでいく。
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