第四話 精霊 2

 その夜。


「フレイに聞きたいことがあるのです」


 ベットで横になりながらフレイに質問しようとするミレイ。


「何なりとお申し付けください我が主」


「う~んとね。その主って呼び方やめない。なんか落ち着かないよ」


「ではなんとお呼びすれば!」


 凄く困った顔をしているフレイ。


「ミレイでいいよ。ナッシーもね」


「はい!」


 元気な返事を返してくるナッシー。


「ではミレイ様とお呼びいたします」


「うん、それでいいよ。それで質問何だけど、二人とも精霊魔法については知っているんだよね」


「はい」


「知ってるよ」


「それと私のステータスが全部SSランクって関係あるのかな?」


 一番疑問だった事を聞いてみる。もしかすると精霊達なら知っているのかもしれないと期待している。


 だが、


「すみません。私もそのことに関しては何も知りません。ただ……」


 言葉を途中で止めたフレイ。


「どうかしたのです?」


「すみません。私も昔の記憶が無いのです。なのでもしかしたら何らかの関係があるのかも知れないとしか言えません」


「そうなんだ。ナッシーもかな?」


「ごめんなさい、ミレイ様。ナッシーも知りません」


 少ししょんぼりした感じで答えるナッシー。


「でもなんで二人とも私が精霊魔法を使えるって分かったのです?」


 もう一つの疑問に付いて聞くミレイ。


「なんとなくとしかお答えできません」


「ナッシーもなのです?」


「はい、ナッシーもミレイ様の気配を感じたときにもしかしたらこの人が私の主様なのかもと思いました」


 二人とも理由は分からないようだ。


「そうねんだ」


 少しがっかりしたミレイ。だが、これからの楽しみが出来たと心の中で思っていた。


「ミレイ様、明日も特訓がございます。早く寝ないと疲れが残ってしまいますよ」


「は~い」


 フレイに言われたとおり寝ることにした。


 ――明日は魔法打てるかな。楽しみなのです。もしかしたら新しい精霊さんに会えるかもなのです。


 ミレイの心の中はウキウキ気分であった。



 それからは毎日が特訓の日々だった。


 フレイを先生になり初級魔法から放つ練習をしていった。魔力の使い方や魔法での戦い方などを教えてもらった。


 新しい精霊との出会いもあった。まずは水の精霊アクア。服や髪が青色の精霊。次に出会ったのは雷の精霊ライト。髪や服の色が黄色で頭に小さな帽子をかぶっていた。それからも風の精霊ウインディー、土の精霊アース、自然の精霊ナチュラと出会った。ライトとアースは男の子の精霊でそれ以外が女の子であった。


 父レイクは剣を教えてくれた。だがミレイの体が小さく大きな剣は持てなかったため刀と言う武器をレイクからもらい使い方を教わっていた。


 フレイからの魔法の指導、レイクからの剣の指導の空いた時間で母アレンからは計算や読み書きについて教えてもらっていた。


 そんなこんなで五年経ち、ミレイも十歳になっていた。


 そしていよいよ旅立ちの火を迎えるのだった。

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