第12話 2回目のICD植え替え手術

2019年2月6日(水)~10日(日)


前のICD植え替え手術から6年ちょっと経ち、2回目の植え替え手術の時が来た。初めてのICDは作動することなく植え替え迎えたが、2代目は6回も作動させることになった。これだけの作動があっても初代より1年ちょっと電池の寿命が延びたことになる。子供は小学4年生と2年生になっていた。

今回も最短の入院スケジュールでお願いした。前回と同じく5泊の予定だったが、4泊で退院できた。手術の1日前に入院し、その時に微熱があった。インフルエンザが大流行してて、3日前に星野源のコンサートで人が多いドームに行ったのが悪かったのかと心配したが、インフルエンザ検査の結果は陰性だったため翌朝に予定通り手術を行うことになった。

手術は3度目でも慣れるものではなかった。恐怖心が強く安定剤を入れてもらったが、今回は眠ることができなかったので、今までで一番しんどい手術だった。過去2回の手術は最後にICDの作動実験のため完全に眠らされたが、その過程がなくなったと聞かされていた。その代わり機械のチェックのため、心臓の動きを早くしたり遅くしたりという作業が長くこれがかなりの苦痛だった。

手術は無事に終わったが、体のあちこちに蕁麻疹が出ていた。検査もしたが何も異常がなくストレスによるものだと思われた。医者は不思議そうにしていたが、この頃は普段から、たまに蕁麻疹が出ていた。その時は精神安定剤を飲んでいた。

病室戻ると嫁が来てくれてた。もう入院は慣れていたし、車でも1時間掛かるので、家事もあって大変だろうから来なくてもいけるとは言ったものの、手術の前日も主治医の説明を聞きに来てもらったりとまた大変な思いをさせていた。病室で嫁と二人きりだった。最近会話を交わしてなかったが、まだ麻酔が残っていて朦朧としていたのもあって、ずっと話したかった事をしゃべり続けていたと思う。

手術の次の日、朝からなんだか落ち着かなかった。ベッドでゴロゴロ寝ていてはいけないような気がして、売店に何度も行ったり、病院内を歩き回っていた。窓から建設現場で働いてる人達が見えた。その時、社会から取り残されたような気持ちになり、訳の分からない焦りと不安に襲われた。動悸がし汗が出てきて、手のひらを見るとこれまで見たこともない程の蕁麻疹だらけになっていた。動揺しながらナースステーションに行き説明した。すると顔も蕁麻疹が出てるといわれた。主治医に報告するので病室で寝て待つように言われたが、じっとしてることができなかった。ナースステーションの前を行ったり来たたり挙動不審になっていた。しばらくして看護師さんが精神安定剤を持ってきてくれた。それを飲んで病室でしばらく横になってると落ち着いた。こんな経験は始めてで、自分が自分じゃないような、どうしようもコントロールできなく怖い思いをした。そんなこともあったので入院が延びるのかと思ったが、主治医からは原因はストレスと思われると言われただけで退院できた。

退院の日は嫁が車で迎えに来てくれた。また二人きりで子供の事とか、少し会話ができた。また以前のように冗談を言ったり、笑ったりできるように戻りたいと思った。


この次に文章の続きを書くときは、何事もなく次の植え替えの時であってほしい。「第13話 3回目のICD植え替え手術」というタイトルで書けることを願う。



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