三、
目的の大学病院に到着した御伽達は、警察手帳を提示し、雪奈の担当医から聞き取りを始めた。
もちろん多忙な医師をいつまでも足止めする訳にもいかない。応接室で向かい合ってのものではなく、廊下で簡易的な受け答えに留めている。
「潮見さんについて、ですか?」
「ええ。旦那さんの方なんすけど、何か変わっているとか、気になったところってありませんか?」
彼女の質問に医師は考え込む。
「特には。毎日お見舞いに来て奥さんに向かって熱心に話しかけられていますよ」
「毎日っすか」
「はい。ご家族の方が途中で耐え切れなくなって足が遠のいたりするケースもあるんですが、潮見さんは欠かすことなく顔を見せていらっしゃいます。お辛いはずなのに奥さんに笑顔を向けて語り掛けていて、スタッフの中にも感心する者は多いんですよ」
医療スタッフの間では印象が悪くないようだ。とはいえ、他所向きにそう振る舞っている可能性もある。
「あ、そういえば、今日も面会にいらっしゃってますよ。直接お会いしてみてはどうですか?」
医師の提案は御伽達としても悪いものではなく、言われるままに雪奈が入院している病室へ向かった。
扉の窓から窺うと、ベッドに眠る女性の手を握った潮見が熱心に話し掛けている様子が見えた。廊下からノックをした医師が窓越しに顔を覗かせる。こちらに気付いた潮見は目を丸くしたが、ベッドの女性に声を掛けた後、そっと廊下へ出てきた。
会釈する潮見に挨拶を返した医師は、仕事があるからと言ってその場を離れた。
「刑事さん。まさかこんなところまでいらっしゃるとは」
苦笑した潮見は「取り敢えず話せる場所へ」と告げ、御伽達と連れ立って中庭へ移動した。
看護師に車椅子を押されて散歩する少年や、ベンチに腰かけて読書をする若い女性の姿が見えたが、こちらに聞き耳を立てているような相手はいない。込み入った話も少しなら可能であるはずだ。そう考え、早速とばかりに御伽は質問を投げ掛けた。
「先ほどの女性は雪奈さんっすね?」
「はい。妻の雪奈です」
「雪奈さんの状態についてお聞きしました。随分と熱心に世話をされているんすね」
明け透けな御伽の態度に目を見開いた潮見だが、遠くに思いを馳せるような表情で微笑んだ。
「雪奈の姿、見えました?」
「ええ」
「綺麗だったでしょう。まるで絵画から飛び出した聖母のようで……。彼女は僕の女神だ。あんなに美しいものを彼女以外に知りません」
うっとりと頬を色付かせる潮見に、御伽達は何とも言えない視線を向けた。
「彼女はただ眠っているだけなんです。話しかけると、時折微笑むんですよ。手も少しだけ握り返してくれることもあります」
単なるのろけではなかったらしい。彼の言いたかったことを察してか、金森がハッと息を呑んだ。
「この先、彼女が起きることはないかも知れない。それでも雪奈は確かに僕の傍で生き続けるんです。たとえ目を開けなくても、僕らは同じ世界で繋がっている。一緒に年を取って、これからもずっと時を刻んでいく。そう思えば、辛さなんてなくなりますよ」
前向きな雪奈への愛情を感じ取り、大きく予想が外れた金森は呆けていた。潮見には雪奈に対する愛情などなく、利用しているだけと考えていたようだ。
ところが、この様子ではその推測が当てはまらないことが分かる。ここで一気に容疑者として畳み掛けようとしていたらしい金森にはお手上げ状態に違いない。次の言葉が見付からず、行き詰まった様子の彼を横目に、御伽はいつもと変わりない平坦な声で問う。
「雪奈さんのお母さんについてはご存じっすよね?」
「え、ええ。ミラークイーン社長の白取鏡子さんですよね。結婚の際にはご挨拶に向かいましたし、その後も何度かお会いしていますので」
唐突な話題に思ったのか、潮見は困惑を浮かべる。
「実は、先日その白取さんが亡くなられたんす」
「……え?」潮見が聞き返した。
僅かに空いた間が彼の驚きをこれでもかと表しているように見える。
「亡くなったって、どういう……」
「潮見さんが所有する式場で見つかったご遺体は、その白取さんだったんすよ」
目を見開いた潮見は言葉もなく固まっていた。何を言われたのか、すぐには理解出来なかったらしい。
「待って下さい。お義母さんが亡くなられたって……意味が……」
潮見は明らかに混乱した様子だった。傍目から見ても決して演技には思えない。
「あり得ませんよ。死体が発見されたと聞いた当日にお義母さんと連絡を取り合ったんですから」
「それは、電話で話された、ということっすか?」
「あ、いえ。SNSのメッセージです。これなんですが……」
懐から取り出したスマートフォンを潮見が差し出す。画面には、確かに白取とのやり取りがメッセージとして綴られていた。雪奈の様子を窺うものや、互いに励まし合う言葉が載っている。
スクロールして履歴を見てみると、少なくとも三日に一度は連絡を取っているのが分かった。
「頻繁に連絡を取り合っているんすね」
「それは、妻の母親ですから」
何を当たり前のことを、といわんばかりに訝かしむ潮見に向けて御伽は肩を竦める。
「雪奈さんと白取さんの関係は複雑なものだったとお聞きしたので。娘婿の潮見さんと親しくされているのは不可解だな、と」
「はい?」
潮見は間の抜けた顔を晒した。
「何ですか? その、妻とお義母さんの関係がどうの、というのは?」
「ご存知ない?」
「確かに血の繋がりはありませんが、雪奈は昔からお義母さんと仲が良くて、心から慕っていました。お義母さんも雪奈のために無理をして……」
話の途中で潮見がハッと顔を上げた。
「刑事さん。その話、誰から聞いたんです? まさか堀田じゃないですよね?」
いきなり彼の雰囲気が豹変した。険しい表情で睨み付けてくる彼に、それまで黙って窺っていた金森も驚きを示す。
「はい。堀田さんから伺いました。雪奈さんの過去や自殺未遂についても」
「自殺未遂!」
潮見が吠えるように声を上げた。中庭にいた何人かが振り返ったが、彼は気にしていないようだ。
「よくもそんなことが……!」
「どうやらあなたの意見は違うみたいっすね」
「当然です! 何ですか、自殺未遂って! 雪奈をバカにするにも程がある!」
激昂する彼を静かに見据えながら御伽は続ける。
「こちらでも当時の事件を調べましたが」
金森が「いつの間に」という目で彼女を見た。もちろん助手席に乗っていた際に、芝に連絡して送って貰った過去のデータに目を通したのだ。
「雪奈さんの件は事故として処理されています。但し、現場には堀田さんの姿があったとか。揉み合った痕跡もあるそうっすね」
潮見は不快げに顔を歪めた。怒鳴り散らそうとする自分を抑えつけるように、ぐっと唇を噛み締めている。
「資料には、一度は彼による犯行が疑われたようっすが、状況を省みて事故と判断されたと書かれていました。取り乱す雪奈さんを止めようとしたところ、足を踏み外して転落した、と」
じっと潮見の顔を見つめた御伽は更に問い掛けた。
「堀田さんはこれを雪奈さんの自殺未遂と主張しています。けど、潮見さんは違うようっすね。どういうことかお聞かせ頂けますか?」
潮見は苦々しい感情をその小綺麗な顔に浮かべながら、ぽつりぽつりと語り出した。
「雪奈は幼少の頃、テレビCMに出演する子役だったんです。あの美しい容姿もあって瞬く間に有名になり、大勢のファンがついたと聞きました」
当時まだ幼かった御伽には記憶にないことだが、インターネットで検索したら確かに稀に見る美少女としてメディアで騒がれていた。
年齢的に知っていてもおかしくない金森は、そういうエンタメ情報に疎いこともあり、記憶に残っていないらしい。当時のCMを見れば思い出す可能性もあるが、そこまでする必要もないので、御伽は放置することにした。
「けれど、有名になるのは良いことばかりではありません。良からぬことを企む人間も近付くようになって、当時のお義母さんは雪奈を守るために随分と気を揉んでいたようです」
SNS社会の現代ほどではないだろうが、メディアに顔を晒していることで、嫌な事件に巻き込まれることもあったはずだ。誘拐や詐欺、脅迫、ストーカーなど、恐らく数えればきりがないくらい様々な問題を抱えていたに違いない。
「そんな状況に雪奈も嫌気がさし、中学進学を機に、思い切って海外留学を決めたそうです。ちょうどお義母さんの会社も海外進出を兼ねて支店を置くことを考えていたようで、一緒に三年間ロンドンに住んでいました」
ここで堀田の話との食い違いが現れた。柄の悪いバンドメンバーとの付き合いや薬物の使用など、一切触れていない。
代わりに海外留学とは、随分と育ちの良さをアピールしてきたが、堀田の話よりは何処か現実的に思える。実際に雪奈の家庭環境であれば、そちらの方がより真実味があった。
「僕もその頃イギリスにいて、雪奈と出会ったのもこの当時でした。同じ日本人ということで意気投合して、帰国してからも連絡を取り合うようになって……。高校を卒業する頃に交際を始めました」
三年間イギリスで過ごしているうちに、世間は雪奈のことを忘れていき、帰国してからは滅多と被害に遭うことはなくなったという。
「大学を卒業して、これから父の会社を背負っていくのだと考えた時、彼女に傍にいて欲しいと思ったんです」
遠くを見つめながら潮見は微笑む。
「雪奈自身もプロポーズに喜んでくれて、お義母さんにも挨拶に行きました。結婚式でも皆から暖かく祝福されて、これから幸せが続くと思っていたのに」
瞳に涙を滲ませた彼は、堪えるように俯いた。
「結婚式の翌日、一緒に婚姻届を出しに行きました。ところが、僕の方に会社から急な連絡が入り、帰りが別々になってしまいました。僕が家まで送ってから出社していれば、あんなことには……」
「何があったんすか?」
御伽の問いに顔を上げた潮見は、酷く暗い目をして皮肉げな笑みをこぼす。その姿は怒りを抑えているようにも見えた。
「雪奈は堀田に突き落とされたんです」
聞き捨てならない言葉が飛び出した。御伽と金森は思わずというように視線を交わす。
「それは、どういうことですか?」
堀田の供述とあまりに違い過ぎる。流石に黙って聞いている場合ではないと考えたのか、金森が身を乗り出すようにして問い掛けた。
潮見は重い息を吐き出し、痛みを堪えるような表情を浮かべた。
「警察の取り調べで、あの男は『錯乱している雪奈を止めようとした』と発言したそうですが、とんでもない。あの日、雪奈は堀田に乱暴されそうになったんです」
「それは事実っすか?」
御伽がすかさず割り込むと、潮見は重々しく頷いた。
「雪奈から電話が掛かって来たんです。錯乱しながら『助けて、優大さん』と。堀田の怒鳴り付ける声と共に通話が切られ、かけ直しても繋がりませんでした」
「そのことを担当の警察官には?」
「伝えましたが、裏付けられる証拠がなく、堀田も決して認めなかったことで、雪奈が錯乱していたことが原因だと言い、事故として処理されました」
それが真実だとすれば、とんでもないことだ。警察としての信用問題にも関わる。
とはいえ、怪しいというだけでは逮捕出来ないのも実情である。担当者の職務怠慢とは一概にはいえないだろう。
「錯乱の原因についてはどういう診断になったんすか?」
「目の前で交通事故を目撃して驚いたからだ、と。確かにその日、近くの通りでトラックと乗用車の衝突事故があったんです。そのせいで堀田の証言にも信憑性が得られたのかも知れません」
「白取さんはそれ以降も堀田さんを傍に置いていらっしゃったみたいっすが――」
「目を離せば何をするか分からないから、と言っていました。自分が傍で見張っていた方が雪奈にも近づけないだろう、と」
考え方としては分からなくもない。警察に逮捕される訳でもないのなら、相手を自由の身にしては、次の行動も把握出来ない状態で対処するはめになる。現状維持の形に持って行った白取の判断も理解出来た。
「分かりました。こちらでも調べ直します。ところで、最後にお聞きしてもいいっすか?」
「はい」
御伽が鋭く探るような視線を向けた。
「“あなたに最高のハッピーエンドを”――この一文に聞き覚えは?」
潮見はキョトンとした目で彼女を見返す。
「うちのパンフレットによく載せている文です。事故現場となってしまった式場は西洋風の城をイメージしているので、そこから童話のプリンセスに因んで、あの式場で結ばれた夫婦の幸せを願うつもりで……。それが、何か?」
「あなたが考えられたんすか?」
「大まかなことは。ですが、細かいところは広報の者に任せています」
「担当者の名前を伺っても?」
事件とは明らかに関係なさそうな話題を振る御伽に不審がりながらも、潮見は拒否することなく相手の名を口にした。
聞き覚えのある名を耳にした御伽は口角を上げて「どうも」と簡単に礼を言い、退出の挨拶をすると、背を向けて歩き出した。金森も慌てて潮見に断りを入れ、彼女を追いかけてくる。
「御伽。急に何を……」
彼の呼びかけを無視して歩いていた御伽は、駐車場に出たところで何処かに電話をかけ、一言、二言話した後、通話を切って振り返った。
「金森さん。これで全て片付けられそうっす」
「は?」
意味を測りかねた様子で眉を寄せる金森に、御伽は含みのある笑みを見せる。
「取り敢えず科捜研に行きましょう。話はそれからっすよ」
本庁へ戻り、科捜研の研究室に到着した御伽は、いつかと同じように出迎えた安藤とハンドシェイクを繰り広げた。
二度目となると、流石の金森も驚きはしないようだが、奇妙そうな視線を向けている。相変わらずこの二人の関係を測りかねているのだろう。
「で、准ちゃん。ご遺体について、分かったことを教えてくれる?」
当の御伽の方は、金森の視線など意に介さず、安藤に分析結果の提示を促した。話を振られた安藤もまた、金森には軽く会釈をしたのみである。
「まずは栞ちゃんが指摘していたように、遺体が履いていたのは鉄製の靴だ。熱で張り付いていて剥がすのには苦労したけど、何とか分離出来たよ」
安藤が差し出したタブレット端末に遺体の画像が表示されている。
黒く焼け焦げた姿は何度見ても壮絶なものであった。一緒に覗いた金森が一瞬顔を顰めるが、御伽は相変わらずの冷めた表情で画像をスライドする。遺体から脱がした靴の画像に切り替え、軽く頷いた。
「足元だけ内部まで均等に焼けている状態から考えて、先に足から焼かれたと考えていいね。燃え盛る炎の上を生きたまま鉄の靴で歩かされたって感じかな。中世ヨーロッパの拷問みたいに」
想像しただけで酷い状態だと分かる。
「とはいえ、直接の死因は一酸化炭素中毒だ。肺の中も焼けているようだし」
捜査として既に消防にも問い合わせているが、遺体が発見された前日に近隣で火災が起きたという通報はなかったそうだ。火元として周囲の目に留まりにくい場所で殺害されたと考えられる。
「争った痕跡は?」
「焼死体というのもあって、相手の皮膚の断片が残っていたとしても、全て焼けてしまって判断は付かないかな。ただ、遺体の右手が不自然に開いていてね。死後、握っていた何かを抜き取られたような擦り傷が残っている」
安藤が右手を拡大した画像を指し示す。確かに妙な形に反っていた。自分からそうしようと思って出来る格好ではない。
「塗料と一緒に、熱で溶け出した僅かなプラスチックの破片がついていたから分析したんだ」
「何か分かったの?」
「ああ。腕時計だよ。幸運にも成分が一致したのは、このメーカーのものだけだった」
彼が示した画面には、ミラークイーン社と有名な時計ブランドのコラボ商品が映っていた。テレビCMや雑誌などでも一時期取りあげられていたものだ。
数量限定となっているため、所有者を当たるのはそれほど大変ではない。これで容疑者も絞れるはずである。
「それから、栞ちゃん。例の件だけど、君が睨んでいた通りだったよ」
安藤が付け足した言葉に御伽は視線を上げ、軽く頷いた。不可解そうな顔をする金森を気にせず、礼を告げた彼女は研究室を後にする。
翌朝、午前九時。御伽と金森は再びミラークイーン社を訪れていた。
案内された応接室で堀田と向き合った御伽は、持参したビニール袋をテーブルに置いた。
「これをご存知っすか?」
ビニール袋の中身を視界に入れた途端、堀田の顔色が変わる。
「え、ええ。我が社と有名な時計ブランドのコラボ商品です。数量限定で販売されたものになります」
シンプルな白と黒のツートンカラーで配色された腕時計だ。男女どちらが着けても違和感のない、繊細でありながら雰囲気の柔らか過ぎないデザインになっている。
「実は、この時計が白取さんのご遺体に握られていたことが判明しましてね。無理矢理抜き取られたみたいっすが、焼け跡に付着していた断片から特定出来ました。犯人の所持品であったと考えて捜査しているところなんす」
堀田は引き攣った表情で「そうなんですか」と相槌を打つ。追及に怯んでいることが隠せていない。金森も険しい顔をした。
「堀田さん。あなたもこれと同じものをお持ちっすよね。白取さんのSNSに映っているのを発見しました」
御伽が取り出したスマートフォンで画像を見せる。
会社のパーティーか何かだろう。着飾った白取がグラスを片手に映っている。隣には堀田の姿もあり、持ち上げた左手首に、目の前にある時計と同じものが着いていた。
「現在はお着けになっていないようっすが、参考までにお預かりして、うちで分析させて頂けますか?」
「あ、いや、実はなくしてしまいまして……」
「それはいつ頃でしょう」
御伽の追及に、堀田の表情には明らかな焦りの色が浮かんでいた。
「一月前、くらいですかね」
「おかしいっすね。白取さんが亡くなられる前日のSNSで『秘書のお気に入り』として腕時計を装着している画像を投稿しています。画像の撮影日も調べましたが、その日に撮影したもので間違いないようでした」
堀田の頬を汗が伝い落ちる。そんな彼を静かに見据えた御伽がテーブルに一枚の写真を置いた。
映っているのは同じデザインの腕時計のようだが、ところどころが煤汚れている。御伽は更にもう一枚の写真を並べた。時計の裏側を映したものだ。底に刻まれている文字を見て堀田が蒼褪める。
“SHINYA HOTTA”
そう、彼の名がはっきりと記されていた。
「現場付近の廃工場で発見されました。焼却炉に投げ込まれていたんすけど、引っ張り出して、焼けた部分も画像処理でどうにか復元することが出来ました」
御伽の追及を引き継ぐように、金森が懐から一枚の書類を取り出して彼に突き付けた。
「堀田慎哉さん。潮見雪奈殺害未遂、並びに白取鏡子殺害の容疑で逮捕します」
「な、何かの間違いでは……」
逮捕状を目にして血相を変えた堀田が逃げ腰になる。忙しなく周囲に視線を向けていたが、御伽達の視線が緩まることはない。逃げ道がないことを悟ると、堀田は力なく項垂れた。
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