花は桜、への応援コメント
桜の花の押し花の栞のような、清楚で透明な、でも乾いた切なさを感じるとても美しい作品でした。
栞のように心にはさまっています。
来年の春に庭の桜が咲いたら押し花にして栞を作ろうと思います。
読みやすく品のいい文章に純文学の風格と筆力を感じます。
ああこういう方々がしのぎを削っているのだな、とちょっと天上を覗き見た気分です。
とても上質な美しさに包まれるひと時をありがとうございました。
作者からの返信
お読みいただき、またご評価をくださいましてありがとうございます。気に入っていただけて嬉しいです。
こちらこそ、美しい言葉でご感想を頂戴して感激しております。暑さも忘れて桜の花びらの栞のことを考えてまいました。
お言葉に恥じぬよう精進いたします。ありがとうございました。
花は桜、への応援コメント
この物語を見た多くの方は、粗筋の段階でその結末を予測していたのではないでしょうか。ですが、読み進めていく中で多くの人がこの物語に魅了された筈です。
結末は、それしかなかったのかもしれない。しかし、その過程――栞と束田の二人の紡ぐ物語に固唾を飲み、スクロールバーが進むにつれて胸に込み上げてくる緊張感。一読者として、ただ彼らを見守る他なく何ものにも表しがたい焦燥を覚えました。
しかし、反して束田の心情描写が丁寧に書き出されていく。何と無情なことでしょう。
作中での栞の台詞――「(中略) 私と、君と、物語しかない」。これ程までに美しい台詞を、私は生涯で後何回出逢えるのでしょうか。他にも栞は名台詞を多数残しています。ですが、私はこの台詞を選ばせて頂きました。心にすっと入っては、後の物語の結末を見て胸を締め付けられる印象深い一文です。
最後の束田の独白に、私は何も考えられませんでした。いつしか、ただの読者である私も「彼」になっていたのだと…。無念、虚しさ、悔しさ、どれも欠落せず心に残り続ける。その後の束田の姿を想像することすら出来ない。それ程までに「独白の瞬間」が「全て」なのだと思い知らされました。
終始、物語は美しい展開でした。申し訳ありません。本当のところ、読了後の感想は、何と素晴らしい美しく儚い作品でしょうか、とぼんやりとしていました。長々と感想を書き連ねてしまい、重ねてお詫び致します。
物書きならば是非読んで頂きたい傑作です。本当に素晴らしい作品を有難うございました。
作者からの返信
コメントとお星さまをありがとうございます。
熱いご感想をいただけてとても嬉しいです。
「これ程までに美しい台詞」「生涯で後何回出逢えるのでしょうか」とのお言葉は特に感慨深く拝読しました。
彼らの物語に私たちは介入することができませんが、寄り添うように読んでくださるかたがいらっしゃることでこの小説は成立しているように思います。
「美しく儚い」それだけで私の意図した気分は十二分に伝わっております。お読みいただいたうえ、素敵な言葉を寄せてくださってありがとうございました。
花は桜、への応援コメント
Twitterでひょんなことからこの作品を拝見し、今日からこのサイトを始めさせて頂いた者です。
作り込まれた世界観と美しい情景描写、繊細な心の機微、それから「書く」人間であれば誰もが感じている不安と焦燥。
悲しいわけでも嬉しい訳でもないのに涙が出る小説を読んだのは、初めてでした。
心の奥深くにずっと大事に抱えていく小説になると思います。
これからも応援しています!
作者からの返信
はじめまして。レビューとコメントをありがとうございます。
もったいないくらいの嬉しいお言葉をたくさん頂戴して、なんとお礼を言ってよいかわかりません。
応援、ありがとうございます。私の書いたお話に残せたものがあるならば、そして少しでも、カクヨムという場と國枝さんをつなぐお手伝いができたとしたら、こんなに幸せなことはありません。
ありがとうございました!
花は桜、への応援コメント
初めまして。
心に突き刺さる物語でした。
文章の美しさ、物語の残酷さ、登場人物たちの想い……
とりわけ惹かれたのは、やはり栞さんです。物語の進行と共に小説を書く機械のようになっていく様には凄みがありました。仮にも小説家を志した者として憧憬を覚えます。
彼女の命を懸けて書いた小説が間に合わなかったという残酷さがまた胸を打ちます。
栞さんは小説に圧倒的な熱量を注ぐ一方で自身の生をどことなく諦観しています。「私の死後は君の余生であったらいけない」……。淡々とした姿勢が彼女の言葉を一層強く心に叩き付けて来るようでした……。
心に根を張るような物語を読ませていただき、ありがとうございました。
作者からの返信
はじめまして。
コメント、そしてレビューまでいただきありがとうございます。
栞は私にとっても思い入れのある人物です。
悲しさも寂しさも抱えながら淡々と書き続ける姿には憧れているといってもいいと思います。
結末は、もうこれしかないと思って書きました。心にふれるものが書けてよかったです。ありがとうございました!
花は桜、への応援コメント
初めまして。
一気読みしました。
短編でここまで心揺さぶられるとは、思わなかったです。
先輩の文字を吐き出さないと花が咲いてしまう病は、創作を志す人なら誰もが共感できるし、その先輩に寄り添う後輩君の思いや気持ちがダイレクトに伝わってきました。
私もつい最近短編を書き上げたばかりなので、とても良い刺激になりました。
心に染みる物語を読ませていただき、ありがとうございました。
作者からの返信
はじめまして。コメントをありがとうございます。
書く人にはきっと他人事でいられない話ではあろうと思います。私にも覚えがあります。
彼らの気持ちを感じ取っていただけたことがまず嬉しく、この作品で心を揺らすことができましたなら、この上ない幸せです。
お読みくださり、コメントを寄せてくださり、本当にありがとうございます。
花は桜、への応援コメント
…うはぁー、圧巻、です。
文字に没頭してました。で、読み終わったあと呆けてしまいました。
小説の持つ力、紡がれる文字が生み出すエネルギーの凄さ…、をまざまざと感じました。
凛と、気丈な姿勢を最後まで貫いた先輩が美しいです。
人間らしく、心が揺らぎながらも、自らの意思で人生を選択した束田くんが愛おしいです。
気品が高い情景描写と、どこか滑稽で味のある彼らの語りに引き込まれます。
小説とは、物語とはかくあるべき、っていうのをガツンと喰らった感覚です。
素晴らしい作品でした。ありがとうございます!
作者からの返信
コメントとお星さまをありがとうございます!
物語を書くことは世界を作ることと思っていまして、だからこそ没入感を与えられたことがとても嬉しいです。
こちらこそ、お読みいただき、熱いご感想をくださり、ありがとうございました!
花は桜、への応援コメント
あまりに美しいお話で、私の拙い感想など残すのも申し訳ないほどです。
小説を書いている人ならほとんどの人が栞さんの境遇に何かしら思うところがあるんじゃないかなぁ。
ずっと書いていたいと思っていたものが、書かなくてはいけないという強制的なものに変化してしまう。最初は物語を想像するのが好きで書き始めて、読んで貰えるうれしさを知って、そのうち更新しなくちゃ読者が離れて行ってしまうと言う気持ちになってしまい、好きだから書いていたものがいつの間にか書かなくちゃ!と義務になってしまう。そういう所を重ねて見てしまいました。
頭の中に花、と言う発想が美しくて好きです。そしてタイトルも素敵です。
いい作品に出会えました。ありがとうございます!
作者からの返信
とんでもありません。ご感想を頂けてとても嬉しいです! ありがとうございます。
書いているうちに強迫観念が忍び寄ってくるのは、ずっと感じていたのです。それを何か形にしたくてこれを書きました。共感していただけて安心しました。
こちらこそ、読んでくださり、ご感想とお星さままでいただいて、ありがとうございました!
花は桜、への応援コメント
痛いくらいに鮮烈で綺麗で、大袈裟ではなく泣いてしまいました。
夏野さんの、死をテーマにした小説を拝読するのはこれで三作目ですけれど、毎回苦しいほどに胸を打たれます。
本作も素晴らしかったです。
作者からの返信
レビューとコメントをありがとうございます!
侘助さんの胸に響いたならば、これ以上の幸せはありません。
そういえば私、よく死について書きますね。人の命のありようについて考えたくて、どうしても惹きつけられるテーマです。
マドンナブルーの頃から比べると、言い方はおかしいかもしれませんが我ながら大人になったものだなと思います。
長い間見守ってくださって、本当にありがとうございます。
花は桜、への応援コメント
最初栞さんから花の話をされた時はてっきり比喩表現の一種かと思いましたが、実際にそういう病気なんだと知り驚きました。
「ここは静かだよ。私と、君と、物語しかない」
というセリフがとても輝いていました。これはもしかしたら栞さんからの、告白だったのではと思う程に。
彼女の性格上、恋愛感情というものは抱いていないのでしょうけれども、それ以上の必要性を束田さんに見出していたのかなと思いました。
実際のところ、我々も書かなきゃ死ぬという点においては同じかも知れません。ただ余命宣告をされていないだけで。
栞さんという名前。
本に挟まって動けないよってことなのかなって考えたりしました。関係ないのかな。
花と頭蓋。死の先に宛てたタイトルが、なんとも物悲しいですが、それは一種救いのようなものなのかもと思いました。
あと一年、生きて。そうですよね。先へ先へって、願いは更新されていくものですよね。今よりもっと先へ。もっと良い未来へ。
願い続けて足掻き続けることが、本当の人間なのだと思います。
でもだからこそ、栞さんは生き尽くせたと思います。幸せだったと思います。どうしよう書けないってなったときに、束田さんが書かせてくれたから。
プロになる前に死んだ。けど、紡がれた魂は嘘じゃないし、全て束田さんには届いてる。無駄じゃないし、不幸じゃない。
だから私は、束田さんにお礼を言いたい。栞さんを幸せにしてくれてありがとう。彼女の未来をこじ開けてくれてありがとう。あなたはこれから彼女の記憶を胸に、彼女がやっぱもうちょっと生きてたかったなぁって思えるくらい幸せになってください。
……いやしかし。
ええ。
うーん。
読後にこみ上げてくるなんとも言えない、これは、この感情はなんなのでしょう。上質な小説は、感情すら新たに創り上げるんですね。
夏野けいさんが創ってくれた感情を、私は言葉にできませんが、永遠に忘れないでしょう。
私に新しい感情をくださって、ありがとうございました。
作者からの返信
コメントとお星さまをありがとうございます!
コメントを読んだ私が泣いてしまいそうです。
告白。そうですね、彼女がはじめて信頼をあらわしたのは、あの台詞かもしれません。
栞は、すみません、理由は特にありませんでした。しっくり来るものを選んだというだけで。けれんみがなくて、普遍的で、理知的なイメージです。
けれど言われると、そのように意味付けられているように感じられて不思議です。呼ばれたのでしょうか。
あのラストに救いを見出してくださって嬉しいです。避けられない終わりに折り合いをつけられるぎりぎりが、あれだと思ったのです。
まさに汲み取っていただけたことがとても幸せです。
新しい感情、というのはシーチさんの感性の豊かさに由来するのではと感じますが……ただ、割り切れないものごとをどうにかするのに小説が要る、というのは常々感じていて。もしかしたらその部分が響いてくれたのかもしれません。
お読みくださり、言葉をかけていただき、ほんとうにありがとうございます。
花は桜、への応援コメント
世界観が美しすぎる…。
そして『花と頭蓋』というセンスの塊のようなタイトルに、『物語を書かないと頭蓋骨に花が咲いて死ぬ』というどこから湧いてきたんだという秀逸な設定。あっという間に引き込まれました。
こんなにも綺麗な文章と話に対して、自分の語彙力のなさ故に感想が伝えきれない…。
それくらい凄い作品でした。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
このような設定を作ってしまうのはもはや性なので、評価していただけると安堵いたします。タイトルも良いと言っていただけて嬉しいです。
こうして言葉を綴って与えてくださることが、どれほど力になるかわかりません。お読みくださって、評価をくださってありがとうございました!
花は桜、への応援コメント
Webで泣いて震えてこの文字も定まらないのは初めてです。
描写がうまい文章力が凄まじいなんて、もはや前提で、『魂』を奮わされる物語でした。ほんとうに、ほんとうに素晴らしかった。出逢えてよかった。心から思います。
賞をとってください。『先輩』のためにも。
なんて、錯覚して作者様にそう言いたくなるほどに、熱く厚く美しく儚い最上の物語でした。
没入感が半端なく、しばらく呆然としていると思います。
執筆して頂いたこと、心より感謝致します。
作者からの返信
コメントを拝見して、私の方こそ震えました。
ここまでのお言葉を賜りまして恐縮しております。
大切に、何度も読み返します。ありがとうございました!
花は桜、への応援コメント
冒頭から文章の美しさにひきこまれて、一気に読了しました。
詩のようにやさしく綺麗な文章で綴られていますが、先輩の物書きとしての熱がすさまじく、主人公とともに目を離せずに見守っておりました。
タイトルになっている「頭蓋の中の花」のイメージと、その描写の見事さに心を奪われました。
描写のひとつひとつが芸術的に美しいですね。
栞さんの人生は壮絶なものですが、己のことを理解し支えてくれる人が傍らにいて、全身全霊の全てを執筆につぎこむ日々を見て、物書きをされる方の中には憧れを抱く方も少なくないのでは……という気もしました。憧れるものの、自分には到底できない生き方だと思いました。
ようやく告げた「好きです」に返ってきた栞さんの言葉が好きです。
彼女は命を燃やし尽くして、やさしさに包まれて、満足を感じて旅立ったと思いたいですが、残された者は辛いですね……。
彼が今後、どうやって生きていくのか、想像が広がります。
とても素晴らしい小説を読ませていただきありがとうございました。
壮絶で美しい世界をいっとき旅してきたような気持になりました。
作者からの返信
レビューとコメントをありがとうございます。
少なからず、栞は私の憧れでもあります。けれど、死や病を前提とした輝きに憧れてはいけないとは思うのです。
当面の命を与えられている私が、どのように切実に物語を紡ぐことができるだろうか、死にゆく人を描くことが失礼にならないだろうか。
表に出す不安もありましたが、こうして認めてくださることが何よりの救いです。
ありがとうございました!
花は桜、への応援コメント
物書きであれば、書かねば窒息してしまう……って感覚に覚えがあると思います。
そのイメージを、芸術的な物語に昇華させるとこうなるのかぁ、と、読み終えてため息ひとつ。
音楽家であれば死後に歌を、画家であれば死後に絵を、作家であれば死後に本を。
では、形に届かぬいま一歩の位置で紡がれ遺された物語はどこへいけばいいのでしょうね。ひとり遺された彼と、たくさんの物語のカケラたち。いつかは形を得て光となり、立ちすくむ彼を導いてくれたらと願ってしまいます。
さすがの描写力、浸れる物語に出会えることは幸せですね。ありがとうございました!
作者からの返信
ありがとうございます!
作ることにのめり込めば、それだけ形にならないまま忘れられる不安は大きくなります。私にとってはここで読んで頂くことが、届かないまま終わってしまう恐怖を和らげてくれます。
目録に紹介文まで書いていただいて、本当にありがとうございます!
お楽しみいただけたことが、私にとって何よりの救いです。
花は桜、への応援コメント
とんでもなく美しく切なく、儚いお話でした…!
最期に「私を背負ってはいけない」と言ってくれた先輩はとんでもなく優しいし、でも束田くんはより彼女を忘れることなんてできないですよね…。゚(゚´Д`゚)゚。
最後の束田くんの問いかけにはもう応えてくれる人はおらず、読んでいるこちらにも寂しい余韻が残り続けます…素敵なお話をありがとうございました!
作者からの返信
コメントありがとうございます。
先輩は物語を紡ぐ人だからこそ、大切な後輩のその後を想像して心配せずにはいられなかったのだと思います。
お読みいただけたこと、余韻まで感じていただけたことが何よりの喜びです。ありがとうございました!
花は桜、への応援コメント
切なくて、だけれど描写がとても美しくて、すばらしいお話でした……!
最初の先輩の容姿の描写や、亡くなった時の「死んでいるなんて嘘みたいに整っていて、生きていたなんて冗談のように人形めいていた」の表現が特に印象的でした。
最後の主人公による心情の吐露が、読んでいて胸に迫ってくるものがありました。
先輩が遺した遺言のように、彼がいずれは、彼女の物語とともに前を向くことが、できたらいいですね……。
素敵な作品をありがとうございました。
作者からの返信
ありがとうございます。描写を重ねて組み上げて、最後の吐露は筆に任せてするりと書けました。
彼のその後を想ってくださったことがとても嬉しいです。ご感想、本当にありがとうございました!
花は桜、への応援コメント
束田君はずっと栞さんの背中を追いかけていたんだなぁ…。学生時代も、死の間際までPCに向かう間も。
栞さんの小さな背中と、側で支え続けた束田君の姿が浮かんでくるようでした。栞さんの残した物語が、彼が生きる支えになるといいな…。
儚い物語なのに、夏野さんの書かれる言葉は本当に美しいなあと思います!
作者からの返信
深見さん!
コメントとお星様をありがとうございます。
深見さんのお言葉で、あらためて彼らが物語のなかで命を得たように思います。
本当に、先輩の望みも後輩の支えになれることだったと思うので……。
いつもご覧くださって、本当にありがとうございます。ご感想、どれも大切にしております。
花は桜、への応援コメント
Twitterで偶然見かけて立ち寄りました。
凄い。圧巻でした。
一気に引き込まれる、素晴らしい物語でした。
ありがとうございました。
作者からの返信
ご評価とコメントをありがとうございます。
私にとっても大切な作品ですので、お立ち寄りいただけたこと、とても嬉しいです。
こちらこそ、お読みくださいましてありがとうございました。