第2話 ガラスの風船

辛いと言うと、すべてが崩れる。

だから言えない。

その蓋をした言葉は、どこに行くの。

行き場所を失った、声に出せない言葉でいっぱいになってる。


割れちゃった。


とうとう、風船、割れちゃった。


伸びないのよ、この風船。


ガラスの風船だもの。


我慢してた言葉が、みんな弾け出して、あたりかまわず刺しまくってしまった。


あ〜もう終わり、もう終わりだわ。


ガラスの破片を拾って自分に刺した。


痛みも何も感じない。


感情もみんな、出て行った。


感情のないまま、漂ってました。


ガラスの破片が少しずつ落ちました。


それを掃除してくれる人がいました。



ありがとう…。


小さな風船が出来ました。

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