シモーヌ編 生産台数
新暦〇〇三六年四月十一日
一方、
「びゃーっ!」
「おっほっほ~♡ 我が娘よ。今日も元気よのお♡」
逆に実に嬉しそうだ。泣けば決して放っておかずしっかりあやしてる。
かつて地球では『母親一人に家事も育児も押し付けて』という時期もあったらしいが、それがゆえに精神的に追い詰められた母親が虐待に走るということもあったと聞くが、そういうのを解消するためにもメイトギアは生まれた。モニカの存在はその流れを確実になぞっているのと、そもそも俺達は誰か一人に役割を押し付けることをしないからな。ルコアや
ただ、残念ながらアリスシリーズの量産は難しいから、今のうちにホビットMk-Ⅱを進化させてそれに近い役目を果たせるようにしなくちゃ。
で、赤ん坊のダミーを汎用工場で作って、<乳児の世話>のシミュレーションも始めた。ちゃんと骨格も再現されたシリコン製の人形で、各種センサーも搭載。ホビットMk-Ⅱが赤ん坊の世話を問題なくできるかどうかを試す。
ただ、時折、赤ん坊のダミーのステータス画面に赤い警告が出る。力加減を間違えていたり、体を支える時のポイントがずれていて、余計な負荷が掛かっているようだ。すぐその時点で怪我をさせたりするようなものではないとはいえ、確実に赤ん坊の機嫌が悪くなるそれだな。泣かせてしまうヤツだ。
普通の人間程度の作業はできるものの、だからこそ、
<赤ん坊の扱いに慣れていない普通の人間>
的な部分が出てしまっている感じか。
なお、ホビットMk-Ⅱの生産台数は、途中何度か設備の見直し等で中断もありつつもすでに七十機を超え、ドーベルマンMPMの総生産数を凌いでしまった。
ホビット製造工場と汎用工場の周りには何十機ものホビットMk-Ⅱが働き、ボーキサイト鉱床とスカルン鉱床でも、ドーベルマンMPMの補助として作業を行っている。採掘した鉱石の運搬はそれこそホビットMk-Ⅱの役目だ。
若干の不具合もあったりしつつ、それが工場の設備の見直しの理由だったりもしつつ、致命的な欠陥は今のところない。十分に役に立ってくれている。なので、石炭とかの調査にも、ドーベルマンMPMの補助として派遣することになった。
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