シモーヌ編 総合的な評価
新暦〇〇三六年四月九日
さて、オートジャイロも成功したし、こちらは汎用工場に余力がある時に作ってもらうことにしよう。
一方、
もちろん、いずれ必要になった時にはまた作ることになるが、当面はホビットMk-Ⅱで何とかなりそうだしな。
しかも、
「オハヨウゴザイマス」
「オハヨウゴザイマス」
<ホビット製造工場>と<汎用工場>の周辺で働いているホビットMk-Ⅱらが、そんな風に言葉で挨拶を始めた。どうやら、発声装置とAIとの間にあった齟齬が解消されたようだ。アリスシリーズやドライツェンシリーズ以上にいかにもな合成音声丸出しのそれではありつつも、そうやって<声>でやり取りができるというのは、人間の傍で運用するには大事なことだ。ロボット同士ではまったく必要なくても、人間はそうはいかないし。
ここまでの運用データで見るに、
ホビットMk-Ⅱが十二機でアリス一機分。
ホビットMk-Ⅱが十五機でドライツェン一機分。
ホビットMk-Ⅱが三機でドーベルマンMPM一機分。
というのがだいたいのスペックという感じだ。単純な出力ではそこまでの違いはないものの、
『同じ作業をさせるにはそこまで分担しないといけない』
という意味での性能差ってことだな。ただし、<精密作業>という話になるとまた別で、機体の剛性がまったく違うので、精密な作業を正確に行うという点では残念ながらアリスやドライツェンには遠く及ばないし、ドーベルマンMPMにも届かない。
そうだな、<素人の人間>と同等程度って感じかな。で、ドーベルマンMPMは<普通の専門家>。アリスやドライツェンは<一流の専門家>ってとこか。
ちなみにメイトギアは<超一流の専門家>ってことになるな。
力も技能も耐久性も、
『生身の人間よりはちょっと上』
的な感じなのが改めて確認できた。そして、<新しいダミーの集落>の進捗具合も、アリスやドライツェンにやってもらったものに比べると圧倒的に遅い。遅いが、着実に進んではいる。
そんなわけで、改めて総合的な評価としては、
『十分に役に立つ』
だな。
そして、例の<水没したホビットMk-Ⅱ>の捜索も、水泳部と水中用プローブで行っているところだ。
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